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弱者の戦略~フィットネスジム運営編②~

前回で自分たちが経営すべきジムについて明確化しました。

chocoZAPをリスペクト&トレースしつつも、ターゲットをずらすことで、大資本との正面対決を避けるというものです。

【トレースする部分】
・手続きはネット完結
・無人運営
・24時間営業
・シャワーなどは一切設けない

【ターゲット】
・中級者以上(chocoZAPは初心者層)

■ 強者はどうするか?


こうした私たちの戦略に対し、私たちよりも強い者はどう出るか?
答えは、「特に何もしない」だと思います。
少なくとも今のところ、chocoZAPや総合大手ハコ型に目立った動きはありません。

そりゃそうですよね。
中級者以上なんて限られた数しかいませんから、そんな狭いターゲットに特化して追いかけても大資本にとっては効率が悪いだけです。

■ 中価格ラインのジムは?


しかし、エニタイムフィットネス等の中価格ラインのジムは「面倒なハエがわいてきた」という感じでしょうか。
彼らのメインターゲットは、私たちとほぼ同じ、丸かぶりと言ってもいいでしょう。しかも敵(ウチ)には圧倒的な価格競争力がある。

しかし、なかなか打ち手を繰り出しにくいとは思います。
理由は2つあります。

1つは、イノベーションのジレンマです。
彼らもかつては市場破壊者として登場し、低価格(当時としては)と24時間営業を武器に、総合大手ハコ型ジムの市場を奪ったのです。

それが今や逆の立場に追い込まれている。
彼らとしては7,000円台という価格を引き下げたくない。今のオペレーションと施設のまま価格を引き下げたのでは単なる利益の消失です(水回り完備、スタッフも時間限定で配置では、大きな引き下げは難しいでしょう)。
ましてや同額の2,980円への引き下げなんてとんでもない。赤字不可避ではないでしょうか。

2つは、FC制ゆえ意見が集約できないだろうことです。
chocoZAP、総合大手ハコ型は、ほとんど直営です。良くも悪くも方針が決まれば全店回れ右します。
でも、中価格ラインはFCなんですよね。しかも本部の力は必ずしも強くない。
だから、本部が戦略を転換したとしても、素直に従う店舗ばかりではないでしょう。

要するところ、彼らは手をこまねくまま時が過ぎ去るのではと考えています。

■ 参入障壁


ここまでゲリラ的というかニッチな話、まさに弱者の戦略を記してきたのですが、一転して強者の戦略について。

弱者、ニッチ市場特化とはいえ、床面積70坪以上のマシン構成・台数を充実させたジムを作るためにはまずまずの資金が必要です。
不動産賃貸の初期費用、内装、設備工事、マシン調達、無人運営システム導入…詳しくは書きませんが数百万円レベルでは無理、もう一つケタが上の資金が必要です。

ですから、「資金はないけどガッツはあります!」みたいな個人では難しいですし、法人でも中小企業ではすぐに投資はできないでしょう。
嫌味な言い方をしますが、資金力でchocoZAPなどとやり合うのは無理ですが、このくらいなら資金調達できる資本力と信用はあるということです。

さらに言えば、その結果この事業が空振りをしても死なない自信もあります。

■ 業界のコバンザメでいい


と立派な感じのことを言ってみても、私たちは新規に顧客を開拓してはいないのです。
と言うか、この業界で新規開拓しているのはchocoZAPだけです。

私たちは、chocoZAPが新規開拓して育ってきた顧客を当てにするコバンザメ、あるいは中価格ラインジムの顧客を狙うハイエナと言えるでしょう。

でも、別にいいんです。私たちがやりたいのは、収益性を上げる事業、楽しんでやれる事業です。新規開拓が目的ではないのです。コバンザメで良いんです。

■ コバンザメのこだわり


そんなコバンザメにも強いこだわりがあります。
1つは店舗の清潔さです。

私たち持続未来グループは、清掃を事業の柱にしています。清掃のプロですから店舗の清潔さにはこだわります。
この点では有人店舗にも負けません。
毎日巡回して見落としの無いようにしています。

もう1つは放置しないこと。
店舗運営が上手くいき、利益が上がってくると店舗運営がおろそかになります。
そのつもりがなくても自動運転のように放置してしまいます。
でも、店舗運営は自動運転できません。
お客様の要望、クレーム、声にならない数字、雰囲気を拾えるのは実際の運営者だけです。

自動運転では少しずつ店舗の力が目減りしていきます。段々と確実に複利効果のように効いてきます。

ま、こういうことが実践できるのは、私たちグループで働く皆さんが居てくれるからこそできるわけです。こんなの私にできるわけないじゃないですか!たまりません!

■ 価格戦略は重要


最後に、値ごろ感と「誰と財布を取り合うのか」について。

デフレマインドをいくら批判してみても、お客様は正直です。インパクトのある価格、それを単なる安売りでなく実現する方策、冷静な試算が必要です。

誰が競合なのか、誰とお客様の財布を取り合うのか?
相手はフィットネスジムだけではありません。スポーツ系のアプリ、トレーニング器具だけでもありません。
お客様の財布は有限です。
相手は、Netflixかもしれないし、ラブコメ漫画かもしれないし、学習アプリかもしれないし、居酒屋かもしれないし…相手は無限に存在します。
その相手と財布を取り合うのです。
その相手に勝てる価格でしょうか?

そして最も恐れること。
それは、破壊的イノベーションによって、私たちのビジネスモデルが過去のものになってしまうことです。
ま、その場合にも何とか生き延びないとならないので、その時はその時で何かパンチを繰り出しましょう。

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