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読書で重要なのは覚えていることじゃなくて使うこと
私は、本を読んだり、いろんなものに触れたりして、その後その内容を覚えていなくてもいいと思うんです。
「覚えていなかったら意味がないじゃないか」という考えもありますけど、私はそうは思わないんですよね。
例えば、1冊の本を読んで、それを頭から尻尾まで覚えているということは、まあまずないわけなんです。
じゃあ実際にどのくらい過去に読んだ本の内容を自分が覚えているのかということを検証してみました。
■ 5、6年ぶりに『ブルーオーシャン戦略』を読む
先日、『ブルーオーシャン戦略』という有名な本を読み直してみたんですよね。
もう何年ぶりかなっていう感じなんですね。10年ぶりとは言わないんですけども、5、6年ぶりぐらいに読み返してみました。
ブルーオーシャン戦略とは、レッドオーシャンと呼ばれる市場とブルーオーシャンと呼ばれる市場に分かれている。
血で血を洗うようなレッドオーシャンに立ち向かっていくのは得策ではない。特に資本が少ないプレーヤーがレッドオーシャンに向かうのはやめた方がいい。
ブルーオーシャンというのは、物事の捉え方によって創造できるものだ。
だからブルーオーシャンの創造を目指そうとようなことを書いてある本なんですね。(雑でごめんなさい)
これって多分、『ブルーオーシャン戦略』というタイトルから、勘のいい人は読まなくてもそのくらいのことはわかると思われます。
■ で、どのくらい覚えてたのよ?
白状します。
驚くほど忘れているんです。
驚くほど忘れてるというか、もうほぼ忘れてます。
結局1冊久しぶりに読み終えて、私 1個のことしかもう覚えてなかったんです。
その1個は何かというと、4つのアクションというやつです。
これは、現在スタンダードとされているもの、人が当たり前だと思ってるものについて、4つのアクションによって新しい価値を生み出してみようというやつなんですね。
4つのアクション、今でも空で言えるんですけど、1つは減らす。
業界の標準的なものと比べて思いっきり何かを減らすこと。
2つ目は増やす。
業界の標準と比べても、大胆にどかどか増やしてみる、
3つ目は取り除く。
もういっそ、もう増やすとか減らすじゃなくて取り除く。業界の常識としてはそれはあって当たり前でしょうというものをあえて取っ払っちゃう。
4つ目は創造する。
創造すると本では言ってるんですけれども、今まではその業界においては そんなものを付け加えるなんて考えてなかったものを新しく付け加えるってことですね。
この4つを大胆に考えてみると、ブルーオーシャン戦略が生み出されることもあるいうやつなんです。
■ 実例と照らし合わせる
これで私が思い当たるな実例がchocoZAPなんですよね。
これ、減らすという意味では、一般的なフィットネスジムよりもかなり面積を減らしてるんですよね。
面積を減らしたら当然なんですけれども、マシンの種類も絞っちゃう。
そして何よりも減らしたのが会費です。
それまでは、例えばエニタイムフィットネスあたりが業界では安いとされてたんですけど、 とはいえ、7000円台中盤以上です。
プールもあります、温浴施設もありますみたいな充実したフィットネスクラブになると1万円以上ですよね。
ですが、chocoZAPは月額2980円プラス消費税です。ということで、大胆に減らしています。
取り除く。
これ、人ですよね、スタッフ、配置するスタッフを取り除きました。
それから、水回り、シャワーとかも設置しません。
最後に創造する。
土足オーケーにしたんですよね。これは結構大きいと思うんです。
今までだったら、フィットネスクラブに通うのに土足のままっていうのはNGで、シューズを持って来なければならない。これがまずかさばるわけなんです。
入館するとまず靴履き替えるのがめんどくさいわけなんです。
土足でそのまま始められちゃうっていうのがchocoZAPのいいところです。
ろですよね。
■ 生かせれば何でも良い
じゃあ、私ども持続未来グループが、 同じ戦略で同じことをやっていったら、まあ間違いなくレッドオーシャンに飛び込むというよりも、大資本の前にひねられるだけなんですよね。
同じことはできないけれど、別の攻め口からフィットネス市場に参入して今のところ順調なんですけれども、それは別のところで書いてあるので過去ログでもご覧ください。
その参入時に、私、先程の4つのアクションを何となく考えていたんです。
頭に残っていたのは本の中のわずかに一部分に過ぎなかったんですが、役に立っているわけです。
だから、本を読んで99パーセント忘れたっていいと思うんです。1つのことを覚えてりゃいいと思うんです。
重要なのは覚えていることじゃなく、役に立つことですから。
今はほとんどの本をKindleで読んでいます。だから読み返すとき、ハイライト(紙の本のアンダーラインみたいなもの)がクラウドに残っています。過去、自分が重要視していた個所を見返すことができます。
非常に便利な時代になりました。
そういう意味合いもあって、読んだ本の内容を全部覚えてる必要はないんじゃないかなということを思いました。