今は雇用率15%の弊社が障害者雇用を進めるにあたり困ったこと
(これまでのあらすじ)
10年前、師匠:エフピコさまに大いに触発され、「ウチも障害者雇用進めるぞ!」と意気込んだ私たち持続未来グループ。
そのためには「就労継続支援A型事業所をつくりなさい」という師匠からのお告げ。
しかし、そこにはさらなる難問が…
ということで続きです。
これまでのストーリー
↓
■ 「え?サービス管理責任者ってなんですか?」
調べてみると、就労継続支援A型事業所をつくるためには「サービス管理責任者」という資格者が必要ということがわかりました。わかりはしましたが、社内には見つからず、募集しても集まりません。
あちこち当たりますが手がかりなし。資格を持っていて「良いなあ」と思うような人は、すでにどこかで働いておられます。
資格者が見つからいと開業できない…焦りは募るばかり。
そんなある日、職業能力開発促進センターで再就職のための職業訓練を受けていて近々修了見込みの方の名簿を見ていると…いたんです!資格者が。
建築関係志望と記されていますが、そんなことは関係ありません。
必死の勢いで説得して入社していただきました。
この方が大当たりで、現在までずっと勤め続けてくれています。出会うべき人には然るべきタイミングで出会うとはよく言ったものです。
■ 「え?用途変更いるの?」
次に困ったのが建築基準法の規制です。
開業にあたり、テナントビルの1室を賃貸するつもりで探していました。障害者関連事業所ということで難色を示すオーナーも少なくなかったのですが、いくつかの物件が候補に上がりました。
が、しかし、思いもしなかったことが判明します。
「この物件だと用途変更が必要ですよ」、当社の建築関係の担当者が言います。
「え?どういうこと?」、訳の分からない私に担当者は説明してくれました。
・就労継続支援A型事業所で100㎡以上の物件を使用する場合、建築基準法上の用途変更が必要なこと。
(※現在は200㎡以上に規制緩和されています)
・1980年代くらいまでの物件の場合、建築時に検査済証の交付を受けていないケースが多く、その場合には用途変更が非常に難しいこと。
候補のうち半分以上は100㎡以上、検査済証もありませんでした。アウトです。ということで、ちょっと手狭ですが100㎡以下の物件の中から再度候補を選定し直し、オーナーを説得し、やっと場所を確保できました。
■ 育成の考え方:技術者を育てる
人的基準や建築基準法を遵守することも重要ですが、肝心の人材育成の考え方をはっきり固めなければなりません。
これについては、私たちグループ内で一致していました。
それは、「技術者を育てる」ということです。
単に障害者に働いてもらうのでは不十分です。しっかりとした技術を習得してほしい、稼ぐに足る技術者になって欲しいのです。
「清掃に技術なんて要るのか」と思う人もいるかもしれませんが、清掃には技術が必要です。
ということで、技術指導するスタッフは厳選しました。
清掃にも技能を競う全国競技会があり、2年に1度開催されています。その全国競技会で優勝した社員、入賞経験のある社員を指導につけました。
■ 「あなたたちの言う働けない人は十分働ける」
また、開業にあたり師匠から念を押されたことも思い出します。
「あなたたちの言う働けない人は十分働ける」
「働けないと思う人を働けるようにすればいい」
例えば、一般的には、業務中に失禁してしまう人を「働けない」と結論づけてしまいがちです。
しかし、そうではないのです。失禁するなら、制服を履き替えて作業を続けられるようにしたらいいのです。替えの制服を用意するなどすれば良いのです。
その障害者が働けないのではなく、こちら側が思考をストップしているだけなのです。
こんなふうにして2014年にスタートしたのが、就労継続支援A型事業所 オンザライズです。
これまでたくさんの人材をグループの戦力として育成してくれています。
もちろん障害者雇用だけで人手不足が全て解消するわけではありませんが、障害のある彼ら・彼女らがもし今居なかったらと思うとゾッとします。
私たち持続未来グループの障害者雇用推進はこうしてはじまりました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?