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【ドラフト2021】ソフトバンク 明桜・風間&北海・木村を指名も…支配下指名の枠をもっと上手に使うべきだった!?

2021年のドラフト会議も終わり、2022年のドラフト戦線は動き出しているが、改めて各球団で指名された選手について振り返ってみたいと思う。今日はまさかのBクラスに沈むソフトバンクだ。

■支配下指名
1位:風間球打(明桜・投手)
2位:正木智也(慶応大・外野手)
3位:木村大成(北海・投手)
4位:野村勇(NTT西日本・内野手)
5位:大竹風雅(東北福祉大・投手)

風間球打(明桜) (1)

1位は風間の単独指名に成功した。ストレートに関しては大学生、社会人まで含めた今年の候補全体でもナンバーワンと言えるだけの球威と角度があり、まだまだ伸びそうな雰囲気もある。投球術などは課題が残るが、スライダー、カットボール、フォークなど変化球のレベルも高く、このままスケールアップしていけば、細かいコントロールがなくてもボールの力で圧倒できる投手になれる可能性も高い。

正木智也(慶応大)

2位の正木は、東京六大学を代表する右の長距離砲。とらえた時の飛距離は今年の候補の中でも1,2を争うだけのものがあるが、ヘッドが外回りしやすいスイングで、打てるポイントが少ないのが気になるところ。守備や走塁は目立つ特長がないだけに、とにかく打撃でアピールするしかない。確実性アップが当面の課題となりそうだ。

木村大成(北海)

3位の木村は、高校球界を代表するサウスポー。昨年秋と選抜ではどちらかというと投球の上手さが目立ったが、夏にかけてしっかりストレートの力を増してきたところは大きなプラス要因だ。プロでは決め球のスライダーやチェンジアップをもう少し打者の手元で変化させる必要があるが、全体的な完成度は高く、近い将来の先発候補として期待できるだろう。

4位の野村は、パンチ力が光る内野手。身長175cmで、上背はそれほどないものの、インパクトの強いバッティングで広角に鋭い打球を放ち、今年は確実性も大きくアップしている。内野だけでなく外野も守れるユーティリティさも持ち味だ。来年で26歳。1年目から内外野のバックアップ要員として一軍定着を目指したい。

5位の大竹は、故障もあってリーグ戦わずか2試合、2イニングの登板ながら素材の良さが評価されて支配下指名を勝ち取った。ドラフト会議後に、他球団の担当スカウトから見せてもらった映像を見る限り、少し右肩が下がる粗削りなフォームながら、ストレートとブレーキのあるフォークには魅力が感じられた。若手投手に好素材の多いソフトバンクが貴重な支配下の枠を使って指名するという意味で、ポテンシャルの高さを感じるが、まずは二軍、三軍で実戦感覚を養うところからスタートとなりそうだ。

■育成指名
1位:藤野恵音(戸畑・内野手)
2位:川村友斗(仙台大・外野手)
3位:井崎燦志郎(福岡・投手)
4位:三浦瑞樹(東北福祉大・投手)
5位:田中怜利ハモンド(帝京第五・投手)
6位:加藤洸稀(滝川第二・投手)
7位:山崎琢磨(石見智翠館・投手)
8位:佐久間拓斗(田村・捕手)
9位:山本恵大(明星大・外野手)
10位:加藤晴空(東明館・捕手)
11位:滝本将生(市立松戸・投手)
12位:三代祥貴(大分商・内野手)
13位:佐藤琢磨(新潟医療福祉大・投手)
14位:仲田慶介(福岡大・外野手)

育成1位の藤野は、俊足が魅力のショート。右打者ながら一塁到達タイムは4.00秒を切り、スイングにも力強さがある。大学進学も視野に入れているとのことだが、運動能力の高さは魅力だ。

川村友斗(仙台大)

育成2位の川村は、大学球界で屈指の強打の外野手。ボールを呼び込んで広角に強い打球を放つ技術が光る。4年時に少し調子を落としたことで育成指名となったが、打力をアピールして早期の支配下契約を目指したい。

育成3位の井崎は、福岡県内屈指の進学校に在籍する本格派右腕。まだまだ速いボールを投げるだけという印象は否めないが、大型でスケールの大きさは魅力だ。

育成4位の三浦は、まとまりが持ち味のサウスポー。層の厚い東北福祉大投手陣の中でも1年秋から先発の座をつかみ、全国大会でも度々好投を見せている。ボールの凄みがないのは課題だが、高い制球力と投球術を磨いて勝負したい。

育成5位の田中は、四国で評判となっていた大型右腕。まだまだ細く、バランスも良くないが、長いリーチを生かした腕の振りは魅力。フォームが安定してくれば、大化けも期待できそうだ。

育成6位の加藤は、フォームの良さが光るサウスポー。スピードはそれほどでもないが、バランス良く腕を振ることができ、コーナーに投げ分ける制球力は高校生では上位だ。躍動感を増して、ストレートに力が出てくれば面白い存在になるだろう。

山崎琢磨(石見智翠館)

育成7位の山﨑は、中国地方を代表する大型右腕。夏の島根大会決勝ではノーヒット・ノーランを達成し、甲子園でも好投を見せた。春先に肩を痛めた影響でまだ回復途上という印象だが、高校生離れした体格と馬力があるだけに、プロで一気にスピードアップすることも期待できるだろう。

育成8位の佐久間は大型捕手。残念ながら、詳細なプレーは確認できていないが、身長183cm、体重99kgという堂々とした体格でパワーと強肩が持ち味とのことだ。

育成9位の山本は、強打の外野手。国士館高校時代から力強い打撃は目立つ存在で、大学でも順調にパワーアップを果たしている。最後の秋は肉離れの影響で出遅れているが、まずは故障をしっかり直してパワフルな打撃をアピールしたい。

加藤晴空(東明館) (1)

育成10位の加藤は、九州屈指の強肩捕手。上背はそれほどないが、機敏なフットワークと鋭い腕の振りでセカンド送球はコンスタントに1.8秒台をマークする。打撃は少し非力だが、まずは守備を生かして、二軍の正捕手を目指したい。

育成11位の滝本は、回転の良いストレートと大きい変化の縦のスライダーが魅力の右腕。この選手もドラフト後に映像を確認しただけだが、ボールの軌道はソフトバンクの先輩である武田翔太に雰囲気が重なる。高校から本格的に投手を始めたということで、今後の成長に期待だ。

育成12位の三代は、強打が武器の大型内野手。攻守ともに粗削りだが、強く振れるのは大きな持ち味だ。

佐藤琢磨(新潟医療福祉大)

育成13位の佐藤は、大学で急成長を遂げた大型サウスポー。重心が高く、倒れ込むようなフォームは外国人選手のような雰囲気で、独特の角度もある。リリーフタイプとして面白い投手だ。

育成14位の仲田は、強肩が光る外野手。高校時代は控えだったが、大学で攻守ともに大きく成長して指名を勝ち取った。まずは外野の守備でアピールしたいところだ。

◆支配下の下位指名には疑問が残る

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