最速156キロ!“幻の剛腕投手”日本通運・柴田大地の17球を一挙公開 実績はほぼゼロでもドラフト戦線に浮上!
今年のアマチュア野球界で注目される選手は誰なのか…。プロ志望届の提出が締め切られ、いよいよ10月11日のドラフト会議が迫ってきた。「プロアマ野球研究所」では、会議当日ギリギリまであらゆる選手を紹介していきたい。今回は、実績がないにもかかわらず、高い注目を集めている社会人の本格派右腕を取り上げる。
2021年10月2日 都市対抗野球南関東地区予選
日本通運9-0JFE東日本
柴田大地(日本通運) 24歳 投手 180㎝90㎏ 右投右打 日体大荏原→日本体育大
先日取り上げたショートの添田真海(24歳・作新学院→明治大)の記事でも少し触れたが、同じ日本通運で高い注目を集めているのが柴田大地だ。高校時代は無名の存在で、大学でもトミー・ジョン手術を受けた影響で公式戦には1度も登板しておらず、オープン戦でわずか2試合投げただけで大学野球を終えている。
それでも、素材の良さが高く評価されて日本通運へ入社。2年目の今年ようやく実戦登板を果たし、オープン戦では最速156キロもマークしている。しかし、ここまでの公式戦登板はわずか2試合、2イニングのみで、7月に行われた日本選手権でも登板はなかった。
添田を紹介した時の9月29日の試合には6球団14人のスカウトが集結し、ヤクルトは5人、日本ハムは4人という力の入れようだったが、この試合でも登板はなし。ドラフト前に残された公式戦の機会はこの日が最後となったが、9点をリードした9回にようやく柴田がマウンドに立った。
社会人で屈指の力を誇るJFE東日本の上位打線に対して、柴田は持ち味であるストレートで圧倒。奪三振こそなかったもののセカンドゴロ、サードフライ、ライトフライと3人で打ちとり、試合を締めてみせた。
この日の最速は152キロと、自己最速には及ばなかったものの、アベレージの速さが柴田の実力をよく物語っている。この日投じた17球とその球速を全て紹介すると、以下のようになる。
打者:中沢彰太(セカンドゴロ)
149キロ(ストレート)
150キロ(ストレート)
151キロ(ストレート)
149キロ(ストレート)
143キロ(スプリット)
142キロ(スプリット)
打者:内藤大樹(サードゴロ)
152キロ(ストレート)
151キロ(ストレート)
150キロ(ストレート)
152キロ(ストレート)
144キロ(カットボール)
151キロ(ストレート)
147キロ(ストレート)
打者:平山快(ライトフライ)
151キロ(ストレート)
149キロ(ストレート)
143キロ(スプリット)
151キロ(ストレート)
ストレートで13球中9球が150キロを超え、その平均球速も150.2キロをマーク。ただ、速いだけでなく下半身主導のバランスの良いフォームで、コントロールも決して悪くない。少し体が捕手に向けて正対するのが早いように見えたが、もう少し三塁方向を向いている時間が長くなれば、空振りを奪えるボールも増えるはずだ。
◆ここまで実績のない投手がプロに注目されるのは異例だ!
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「プロアマ野球研究所~ドラフト最前線」
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