彦根東出身の“秀才左腕”はプロを選ぶのか…増居翔太は慶応大で順調に成長中!
今年のアマチュア野球界で注目される選手は誰なのか…。ドラフト候補を常にウオッチし続ける「プロアマ野球研究所」では、新シーズンで目立った選手を積極的に紹介していきたい。今回は小柄ながら、東京六大学でも屈指の安定感を誇るサウスポーを取り上げる。
2021年4月11日 東京六大学野球春季リーグ戦
法政大1-7慶応大
増居翔太(慶応大) 3年 投手 171cm68kg 左投左打 彦根東
この日の法政大の先発は今年のドラフト上位候補と見られている山下輝(4年・木更津総合)ということもあって、スタンドには多くのスカウト陣がつめかけていた。その山下に投げ勝つ見事なピッチングを見せたのが慶応大先発の増居翔太(3年・彦根東)だ。
彦根東では2年夏、3年春と連続で甲子園に出場して、いずれも先発としてチームの1回戦突破に大きく貢献。3年春の2回戦、花巻東戦では延長10回で敗れたものの、9回までノーヒット、14奪三振という圧巻のピッチングを見せている。慶応大進学後は1年春からリリーフとして、いきなり6試合に登板。昨年秋は調子を落として、わずか1試合の登板に終わったが、この春は2戦目の先発を任せられた。
立ち上がりはエラーとヒットでツーアウト一・二塁のピンチを招いたものの、5番の後藤克基(4年・滋賀学園)を三球三振に仕留めて、無失点で切り抜けると、2回は全て空振りで三者連続三振。
味方が1点を先制した直後の4回表には先頭打者にツーベースを浴びたが、続く打者の送りバントで二塁走者を三塁で封殺する見事な守備を見せて、この回も無失点に抑え込んだ。結局最後まで法政大打線を翻弄。6回にソロホームランで1点は失ったが、7回を投げて1失点、11奪三振と圧巻の投球で先発として初勝利をマークした。
増居の最大の特長は、力みのないフォームと球持ちの長さだ。少し二段モーション気味で右足を二度上げる動きがあるが、軸足に体重を乗せてからスムーズにステップしており、上半身にも無駄な力が入っていない。軽く投げているようでも、しっかりボールに力が伝わっており、高校時代と比べるとフォームの躍動感もアップしているように見える。
◆京大進学を検討するほど学業も優秀だった
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「プロアマ野球研究所~ドラフト最前線」
ドラフト戦線に浮上したアマチュア選手をウオッチしている「プロアマ野球研究所」。主任研究員である野球ライターの西尾典文が執筆、大手サイトで経…
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