「スタンプラリーによって市内の観光地訪問のきっかけづくり」”城崎温泉”だけではない豊岡のたくさんの魅力を届ける!|豊岡観光イノベーション様
そんな豊岡で地域の皆さんとともに、豊岡の魅力を世界に届けている一般社団法人 豊岡観光イノベーション(TTI)で観光DXリーダーをされている一幡さんに、今回「Raund」でデジタルスタンプラリーを開催した背景やその効果、今後の展望などについて詳しくお話を伺いました。
▼Raund(ラウンド)とは
Web上でデジタルスタンプラリーを実施・運用・分析までできる、オールインワンのデジタルスタンプラリーシステムです。観光地や店舗を楽しんで周遊していただくことができるサービスなので、地域や商業施設の集客、地方創生など幅広くご活用いただいています。
▼キャンペーン概要
キャンペーン名:どう転がっても面白いっ 六面体豊岡デジタルスタンプラリー(春期・夏期2回開催)
イベント実施期間:2022/5/16〜2022/7/18(春期),2022/7/23~2022/9/14(夏期)
スタンプの取得方法:GPS、QRコード
ーデジタルスタンプラリー導入前にはどのような課題がありましたか?
周遊促進をなんとかしたかったです。豊岡市は城崎温泉のイメージが強く、京阪神の方も京阪神以外の方も”豊岡”という名前よりも”城崎温泉”と伝えるとわかってくださる方がほとんどです。ただ、豊岡市全体の観光をみている私たちとしては、城崎温泉だけ盛り上がればいいのかというとそうではありません。城崎温泉以外でもお蕎麦の美味しい”出石”や、夏でも冬でもアクティビティができる”神鍋高原”、マリンスポーツが楽しめる”竹野”など魅力的なところがたくさんあります。城崎温泉に来ていただいた方に豊岡をもっと知っていただきたい、訪れていただきたいという思いがありました。
ー「Raund」をお選びいただけたきっかけや理由を教えて下さい
城崎温泉に来ていただいた方に豊岡を知っていただくためにはどうすればいいのか......と色々と手段を考えた結果、スタンプラリーを手段に選びました。豊岡市大交流課(現観光政策課)とともにさまざまなツールを調べたところ、「Raund」を見つけました。
「Raund」は価格が比較的安価で、他社と比較してカスタマイズ性も高く、豊岡が実施したいことが実現できそうな期待感もあって選びました。
ー「Raund」を導入するにあたり、苦労された点はありますか?
紙のイメージが強いスタンプラリーをデジタルにすることのメリットの提示
スタンプスポットの対象施設への説明
この2点は開始前に一番苦労した点でした。ですが、来訪してくださるお客様の大半がスマートフォンを利用されていて利便性が高まること、スタンプ台やスタンプの設置スペースの確保・管理などが不要で、従来のスタンプラリーより負担が少ないことを各観光協会の皆さまに説明すると賛同いただけ、各施設や場所にスタンプスポットを設定することができました。
また、開始してからの周知も大変でした。紙のスタンプラリーの場合、観光地に行った際にスタンプ台とスタンプ用紙があればスタンプラリーを実施していることがひとめで分かり参加するきっかけに繋がりますが、デジタルスタンプラリーだとそうはいきません。どうしてもポスターだけになってしまったり、Web上での周知が基本になるので始まってみるとお客様への周知も大変でしたね。
ーお客様への周知はどのようにされましたか?
Web上でできることはすべてやりました。Google広告やFacebook広告、豊岡市役所・TTI・各観光協会様のWebサイトへのリンク掲載などです。
最終的にはやはり観光のキャンペーンなので、お客様の顔をみながら周知することは必要だなと思い、駅前でチラシを配ったり、神鍋エリアのイベントの時にテントを出してスタッフが呼び込みを行ったりすることでイベント参加者の増加に繋がりました。
ー周遊促進の課題に対して、実際にスタンプラリーを実施されてみていかがでしたでしょうか?
デジタルのスタンプラリーを実施してみて、参加者の周ったスポットのデータがとれるので、豊岡市全体のおおよその来訪者数と照らし合わせてどれくらい周遊されたのかというのを分析していました。スタンプラリー実施前と比べて周遊の数が増加したというのが実際の数字となって表れ、どのような場所を周遊されているかがわかったので本当に実施して良かったなと思います。
ー周遊データによって、新たな発見はありましたか?
お客様の周遊の動きは「Raund」導入前からWeb上で現地の来訪者アンケートをとっていて、どこから来たか、どれくらい消費したかというのと同時に今回の旅行でどこを訪れたかというのを聞いていました。城崎温泉への来訪者が大多数で、次いで”城崎マリンワールド”や”玄武洞”が多いという大体の周遊の動きは把握していましたが、今回の周遊データをみてみると神鍋にある”八反(はったん)の滝”などのライトな観光客は行かないような場所も周遊してくれているという違う視点の動きがありました。今回のキャンペーンをきっかけに、たくさんのスポットへ周遊していただけていたことがわかりました。
また、今回のキャンペーンは春と夏で2回に分けて実施しました。繁忙期と閑散期に分けたことで訪れるスポットの傾向が違ったりするなどより興味深いデータがとれたと思っています。
デジタルスタンプラリーを実施したことで、周遊促進の効果を実感していただきました。効果がでたと同時にキャンペーン終了後も、”もっと豊岡の魅力を伝えたい”という課題もお持ちでした。そのことから、デジタルスタンプラリー終了後に「Raund」のシステム基盤を活用して、観光アプリ”豊岡スマホ観光ナビ”をフルスクラッチ開発してリリース。その開発に「Raund」運営会社であるPaakも携わらせていただきました。
ー”豊岡スマホ観光ナビ”アプリの開発経緯を教えて下さい
観光DXを推進していく上で、お客様の周遊促進は継続して行っていく必要があります。「Raund」を利用してみてスタンプスポットをデジタル上に作って、お客様がクーポンや特典を獲得するという土台はできていたので、豊岡市の観光をもっと便利に、そして魅力を伝えられるデジタルツールを作りたいと考えました。そこで、「Raund」を運営しているPaakと一緒にWebアプリを作りたいと思いお声がけさせていただきました。そして、”豊岡スマホ観光ナビ”を2023年1月にリリースし、2024年6月現在も運用しています。Paakと開発したことで、「Raund」で利用・取得したデータがそのまま活用できるので、コストダウンにも繋がりました。
ーアプリ作成後、効果はいかかでしょうか
今回のアプリにはたくさんの機能をつけているのですが、その1つとして豊岡の「デジタル外湯券」という外湯券の機能があります。城崎温泉では宿泊者に外湯券を配布し、滞在中は自由に温泉に入ることができます。紙の外湯券を首からぶら下げて散策していると無くしたり、浴衣に合わなっかたりという意見がありました。その課題に目を付け、アプリに外湯券機能をつけてスマホでも入場できるようになりました。デジタルにしたことで、紙で持ち歩きたくないお客様や、ぶら下げるホルダーの用意が不要になった旅館双方にメリットがありましたし、お客様の選択肢が増えたという部分では、満足度向上に繋がったのではないかと思います。
また、スマホ観光ナビはクーポンを自由に管理できる管理画面を作成していただいたので、クーポンの機能が充実しており、とても重宝しています。豊岡の情報が満載なスマホ観光ナビにクーポンを設定することで、実施したいと思った時にキャンペーンを手軽に実施することが可能になりました。このような手軽にキャンペーンを実施できるプラットフォームが豊岡にあるということに効果があるのではないかと思っています。
ー豊岡スマホ観光ナビで今後取組みたいことはありますか?
現在は100程度のスポットを登録していますが、もっと魅力的なところを知っていただくためにスポット登録数を増やしたり、エリア全体での周知を強化していきたいと考えています。そして豊岡の地に一歩踏み入れたら登録するべき必須の観光ツールになるようにしていきたいです!
ーありがとうございました!!最後に、豊岡市の魅力を教えて下さい!
初めての人はやはりまず”城崎温泉”にお越しいただきたいですね。2回目以降は城崎温泉以外にも”城崎マリンワールド”や”玄武洞”、足をのばして”出石”などの本当に魅力的なところがたくさんあるので、そういったところから豊岡市を知っていただければ、温泉があって海があって美味しい食事があって....コウノトリも生息している豊かな街というのがどんどんわかっていただけると思います。1回きりではなく何度も訪れることで違った顔を楽しめることが豊岡市の魅力なので、まずは城崎温泉に是非お越し下さい!