パパ
今日は20歳のお祝いにパパの生まれたところに遊びに来ました。今は眠剤を飲みこの文を書いています。
今日の朝9時半にパパと待ち合わせ。4年ぶりに会うパパは軽くカールがかった髪と髭がワイルドで焼けて乾燥した肌がパキッとしてて、革ジャンとブーツに牛革の箔押しカバンでキメてて相変わらずかっこよかったけど、髪にも髭にも白髪が混じってて目尻の笑いジワが深くなってた。
パパの実家への道中、パパは色んな思い出を話してきた。私はこれがすごく苦手だからパパに会うのはなるべく避けるようにしてた。「現場からディズニーランドが見えてね、みんなで行ったの思い出して泣きそうになっちゃったよ」とか、ママとの思い出も沢山楽しそうに話してた。今も思い出して布団でこっそり泣いてる。苦手だった。全部パパが壊したのに、すごく大事そうに尊い思い出として語るから、仲良しだった家族関係がまだ続いてる気がしてしまって、もうないことも同時に思い出すから死にたくなる。大好きだった。
パパに会うのは最後にしようと思った高二の父の日、パパに素敵な思い出をプレゼントしたくて私が知ってるいちばん美味しいご飯屋さんに連れて行って沢山お話した。自分はもう女の子のことしか好きになれないかもしれないこととか、どんな進路をめざしてるとか、なんでも話して可愛い娘になろうと必死だった。お茶碗のご飯が減ってきて、パパがしきりに「家に帰ったら泣いちゃいそうだよ」って、また会おうねって。パパが可哀想で辛かった。
パパの中での私が2020年で止まってる。昔すごく仲良かった子と縁が切れたことなんて知りもしない。あの子元気?最近はどんな感じなの?家族ぐるみで仲良かったもんね。援交してたから縁切っちゃった。私、あの子のこと好きだったんだよ。
私パパのせいで男の人も正直苦手通り越して嫌いだし、パニック障害だし躁鬱だし最悪だけど家族としては気に入ってた。でもパパって自分のことを可哀想にみせるのが本当に上手で、長女気質過ぎる私はいつも騙されちゃうからもう会わない方が心が楽だし私が救われると思ったんだよ。
会った瞬間昨日まで同じ家で過ごしてたみたく会話ができて、家族ってすごいなって思ったけど、パパのLINEも持ってないし電話番号すら知らない。パパは今どこに住んでて、どんな生活を送っているの?パパはまだママが自分のことをすきだと思ってて、ママとの思い出を一番大事なものとして沢山話してくる。私がLINEをブロックしてからも、パパは私にお誕生日おめでとうのLINEを送ったりしてたのかな。パパが全部悪いんだよ。ごめんね。
パパの実家は高校の入学祝いで顔見せに来たときぶり。私の家と違ってみんな足音が大きい。今この家で私一人だけ足音を立てずにつま先立ちで歩いてる。慣れない。ママが嫌ってるパパのお姉ちゃん、口調が優しくて穏やかで混乱する。
パパに殴られたこととか、パパ関連のこと思い出した日は大人なのにおねしょをしてしまう。恥ずかしいけど体がストレスに耐えきれない。キャパを超える。今日も怖くて悲しいのに愛おしくて懐かしい気持ちになって、ずっと混乱してて、しんどすぎて安定して愛してくれる彼氏とのセックスを思い出して心の平穏を保ってた。しんどすぎて正気で居られない。
デエビゴをもう2.5足して目をつぶりママのことを思い出す。私はママの味方で、ママの言うことが全部正しいと思うし、私がママを守りたい。
早く家に帰りたいな
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