私は中高生のころ、独自の思想が強く、自分の世界をはっきりと形にすることが出来ていた。また、その世界を見失わないよう努力も欠かすことは無かった。 新たな人間とコミュニケーションをとることは心を乱し、要らない知恵を与えられてしまうから、極力人を選びコミュニケーションをとる。雑念をガードしつつ、脳内の世界を守るためだ。本を読み散歩をすることで、本で得た言葉から浮かんだ情景を整理し夢や妄想へ落とし込む。散歩をする時はいつも同じプレイリスト、同じ場所、同じ空気、同じ天気、同じ時間、こ
品が良く、謙虚で清楚、聡明で愛らしく健気で控えめだが魅力的。 蝶々は私の世代のプリキュアのモチーフだった。ずっと小さな時から憧れていた。 夢と現実がよく曖昧になってしまうので、迷子にならないよう蝶に導いてもらうような意味合いをこめ、荘子の胡蝶の夢や白昼夢をかけた私の思想の象徴として最初に彫った。 胡蝶の夢の中に出てくる蝶は私の妄想だけれど、派手でキラキラした蝶ではなく、小柄でそこら辺に居そうな、だけどどこか奥ゆかしく和を感じさせてくれるような蝶だろうなと思いモンシロチョウ。
轟音が鳴り響く店内、所帯染みた女と小汚い作業服を着た男、饐えた夏の嫌な臭いがする。興奮で瞳孔の開いた目とボタンを強く押し付ける音が頭でぐるぐる。 毎日来店する老人が玉の排出方法を毎日聞いてくる。早く死んだ方が多分マシ。いつも来る禿げた小太りの不細工なサラリーマン、カウンターにカードを投げつける。お前は早く死ね。真後ろにいるのに、目が合ったのに呼び出しランプをつける。本当に早く死んで。賞景品を渡す時にこっそりと、しっとり手を触ってくる少し禿げたお兄さん、バレてるからね。大きく
自分のいい所を見つけてはノートに書く。ダメなところも改善策と共に気付きとして書き出し意識する。 やはり人生において辿り着く本質は人に期待しないの一択で、人の変化を期待していないから大事にするべき人とそうでない人の区別がつくようになった。私がなりたいのは人の痛みをよく理解した、優しく清らかで柔らかく、聡明で愛を持った人間で、そのためにはミスをしてはいけないの。気を抜かず、丁寧に、努力をし続けなければいけない。変に推し量るような真似はしてはいけないし、どんなに親しい仲でもそれな
右手はタンデムバーに、左手は彼の肩に。大きな海を見に出かけた。 空は晴天で雲ひとつない。視界を埋め尽くす大きな背中と、向かい風に煽られて香る優しい匂い、エンジンの振動すらも心地いい。時折コツコツとヘルメット同士が触れるのが嬉しかった。 昔家族で見た海へ今、彼が私を運んでくれる。 彼の背中にへばりつきながら彼のことを沢山考えた。昨日は学校をサボって一日中喧嘩をした。いつもだいたい私が悪くて、また彼を傷つけてしまった。彼が泣いていて、私に小さな声でごめんねと悪くもないのに謝って
学校終わりに彼氏へ会いに。コツコツコツコツ、ヒールの暴力的な音に交じり、重々しい荷物をぶら下げカポカポ下駄を鳴らしながら歩く老人が目に止まった。不自由さが自分とリンクする。朝薬を飲み忘れてちゃんと息ができない。「はぁはぁはぁっ…」脂汗で額がびっしょり濡れている。老人にむかって歩いていたら階段から落ちた。誰も構ってなんかくれない。肝がヒヤッとした。目の青い男の人がこちらを嘲るように眺めてる。ごめんなさい。 電車が来るのを待つ間、強く打ったひざを撫でてみたら足が少し震えていた。
2021年から曇っていた頭が2024年4月20日に晴れた。 特別何かあった訳では無いのだけれど、全てがどうでも良くなり、全てを受けいれた。例えば、変えられない過去、嫌いな人間、生理的に受け付けない思想など。だが、体感で言うとまだ足りていない気がしていて、何に対しても思考が浅い気がするので、もう少し深く考えるよう癖づけていきたい所存。 一つ一つの物事、動作に対して丁寧に、慎重に、集中して行えるようになった。仕事でのミスはなくなり、生き甲斐だった夢を見ることにも成功した。ただの
今日は20歳のお祝いにパパの生まれたところに遊びに来ました。今は眠剤を飲みこの文を書いています。 今日の朝9時半にパパと待ち合わせ。4年ぶりに会うパパは軽くカールがかった髪と髭がワイルドで焼けて乾燥した肌がパキッとしてて、革ジャンとブーツに牛革の箔押しカバンでキメてて相変わらずかっこよかったけど、髪にも髭にも白髪が混じってて目尻の笑いジワが深くなってた。 パパの実家への道中、パパは色んな思い出を話してきた。私はこれがすごく苦手だからパパに会うのはなるべく避けるようにしてた
ちょっとよく分からないけど今この世に存在している人間の中でいちばんあなたについて考えている時間が長い。いま、夜中に何度もあなたの似顔絵を描いては消して、描いては消して、飽きてきたから手紙を書いて。誕生日までに似顔絵を準備したかった。多分出来ないから諦めた。 いつも精神的に追い詰められると最後のプレイリストを流しながら首を括りカーテンリボンをかけるところに縄をひっかけてヨダレを垂らしながらあなたに「お前を刺殺して家を燃やす。お前の母親ごと殺して私も死ぬ」とLINEを送ってどこ
中学一年生から高校二年生まで過ごした友達がいた。何をするにも一緒だった。大好きだった。 彼女とは保育園の頃から友達で、昔から仲は良かったけど、中学の部活が同じになってからは特別仲良くなった。私は家族が精神的に不安定でご飯を食べさせて貰えないことがあったから、部活が終われば彼女の家へ遊びに行きご飯を一緒に食べたり、中学三年生の頃は部活を引退して受験に向けて塾に通っていたけれど、塾の帰りに母に嘘をついて彼女に会いに行き時間が許す限りずっとずっとお喋りをしていた。あまり人に心を開
夏休みの始めに塗ったマニキュアが落ちてきた。久しぶりに再会した学友は何も変わらず、時の流れを感じさせない。だが確かに時間は流れ、何一つ自身の成長を感じられないまま20歳になる。地元では夜しか出歩かないと決めているし、成人式には参加しない。友達も両手で数え切れてしまうほどしかいない。それも、ほんの少しの間連絡を取るのを忘れてしまっただけで切れてしまうような、そんな縁の友人達だ。大人になっても寂しくないよう、最低限の交友関係は構築しておくべきだと思い、この2年間、今まで生きてきて
私、イルカが好きなんです。 私の夢の象徴で、薬を沢山飲んでいつもイルカ眺めてました。イルカのことを考えると頭を強く打たれた時と似たような、やんわり暖かい感覚を覚えます。 母はよくいるヒステリックで情緒不安定なタイプです。父の帰宅が遅いと私に当たりました。私が3歳のときですかね?2個したの弟がリビングのとなりの畳の部屋の、柵がついた赤ちゃんベッドで寝ていた記憶があるのであっていると思います。 母、いつもお酒飲んでたんですけど、その日はいつもより荒んでて、生気のない顔で1チャン
高校時代、あまり人間間で楽しみを見いだせず夢のことばかり考えていた。私の見る夢はいつも決まった雰囲気のものばかりで、悪夢は年に1、2回しか見ない。 私のいつも見る夢は、空が薄暗い澄んだ朝、日の出は遅く肌寒さを感じる季節で、決まって建物の高いところにいる。ある時は昔家族で遊びに行った遊園地を模した、実際は存在しないあまりにも高すぎるビルの中。ある時は昔家族で住んでいたマンションの存在しない、見たこともない屋上。 小さい時に見たおかしな幻覚に何年も思いを馳せ 、幻想の派生ばかり