ケルト神話翻訳マン

ケルト神話の翻訳や、ケルト神話関係の知識、ケルト神話のあらすじなど書いています。面白い…

ケルト神話翻訳マン

ケルト神話の翻訳や、ケルト神話関係の知識、ケルト神話のあらすじなど書いています。面白いと思っていただけたらサポートをお願いします。連絡は「仕事依頼」から。マシュマロ:https://marshmallow-qa.com/celticmythtrns

マガジン

  • 2023年8月アイルランド旅行記

    2023年8月に国際比較神話学会での発表を兼ねてアイルランド旅行に行った記録です。

  • 戦神の星から

    ケルト神話やケルト文化の話をします。

  • マシュマロお返事

    いただいたマシュマロでのご質問にお答えします。

  • マグ・トゥレドの戦い (Cath Maige Tuired)

    ケルト神話・アイルランドの伝承より、神話物語群の「マグ・トゥレドの戦い」拙訳のまとめです。中期アイルランド語より翻訳しています。神族トゥアサ・デー・ダナンと悪魔フォモーレ族との神話的戦いを描く物語です。

  • ブリクリウの饗宴 (Fled Bricrenn)

    ケルト神話・アイルランドの伝承より、アルスター物語群の「ブリクリウの饗宴」拙訳のまとめです。中期アイルランド語より翻訳しました。 英雄クー・フリンが名誉をかけて他二人の英雄と争う物語です。

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  • 固定された記事

書いたノートの一覧

これまで書いた記事を分類して一覧にしました。(2020/3/10更新) 1.翻訳 1.1.ブリクリウの饗宴 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫ ⑬ 「ブリクリウの饗宴」登場人物・用語一覧 アイルランドの伝承「ブリクリウの饗宴」について 覚え書き:「ブリクリウの饗宴」 ケルト神話「ブリクリウの饗宴」拙訳記事一覧 マガジン「ブリクリウの饗宴」 1.2.エウェルへの求婚 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ 「エウェルへの求婚」登場人物・用語・地名一覧 アイルランド

    • 【写真いっぱい】アイルランドに行ってきました! part 5 3日目 アスローン観光(後編)

      第3日:アスローン観光(後編)相変わらずアイルランド旅行の模様を書いていきます。前回はアスローンの街の観光を途中までお届けしました。今回はその続きになります。 前回は聖ピーター&ポールカトリック教会を見たところまででした。 その後はキリスト教関連の物品を取り扱っているお店に行きました。 店内の撮影ははばかられたので、購入したお土産を紹介します。 その次に行ったのはアスローン城です。12世紀に建てられた城塞で、現在ではビジターセンターになっています。 内部は博物館になって

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      • 論文を寄稿した本が出ます part2

        どーも。宣伝です。 論文を寄稿した本が出版されました! 8/26発刊の『神話研究の最先端 第2集』です。 私は共著として「アイルランドと日本における異界訪問譚の比較」というタイトルの論文を執筆しました。 異界と権力の関係に関する日本神話とアイルランド神話の比較研究で、私はアイルランド神話の担当です。 私なんかよりもすごい先生方がたくさん書かれていますので、可能ならばご購入、または図書館で借りたりして読んでください。図書館に入ってなかったらリクエストお願いします。

        • 【写真いっぱい】アイルランドに行ってきました! part 4 3日目 アスローン観光(前編)

          第3日:アスローン観光(前編)お久しぶりです。論文書いたりしてたらずいぶん間が開いてしまいました。今回もアイルランド旅行記を書いていきます。 アイルランド滞在3日目は、IACMカンファレンスの2日目に当たる日ですが、この日と次の日はせっかく来たのだからアイルランドをできるだけ観光していこうということになりました(自分たちの発表はカンファレンスの4日目)。 さて、元々の予定ではこの2日間ともダブリンとその周辺の神話関係の土地を巡るつもりだったのですが、2日目の夜(カンファレ

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        • 固定された記事

        書いたノートの一覧

        マガジン

        • 2023年8月アイルランド旅行記
          5本
        • 戦神の星から
          45本
        • マシュマロお返事
          5本
        • マグ・トゥレドの戦い (Cath Maige Tuired)
          13本
        • エウェルへの求婚 (Tochmarc Emire)
          11本
        • ブリクリウの饗宴 (Fled Bricrenn)
          17本

        記事

          【写真いっぱい】アイルランドに行ってきました! part 3 ロスコモン、ラスクローガンビジターセンター

          第1日(続き):ロスコモンドーモ、前回の続きでロスコモンの写真をちょっとお見せします。ロスコモンはロスコモン州の中心都市です。田舎ですがホテルも3つあり地方の中心になっているんだろうと思います。

          ¥500

          【写真いっぱい】アイルランドに行ってきました! part 3 ロスコモン、ラスクローガンビジターセンター

          ¥500

          【写真あり】アイルランドに行ってきました! part 2

          気付いたらもう12月です。記憶が風化し切らないうちに続きを書いてしまわなければ…… 第1日(続き):ダブリン観光~ロスコモン到着さて前回 (https://note.com/p_pakira/n/n525a79076e17) は飛行機でのダブリン到着までを書きました。 今回はダブリン到着後のダブリン観光から、アイルランド滞在中の投宿地だったロスコモン到着までを振り返りたいと思います。 ダブリン空港到着は現地時間6時ごろ(なおサマータイム中だったので、サマータイム抜きだと

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          【写真あり】アイルランドに行ってきました! part 2

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          【写真あり】アイルランドに行ってきました! part 1

          お久しぶりです。 2023年8月、「国際比較神話学会」(International Association for Comparative Mythology) の第16回大会で研究発表を行ってきました! 会場はアイルランドのCounty Roscommon、TulskはRathcroghan Visitor Centreでした。Rathcroghanといえばアイルランド語でRáth Crúachan、つまり女王メイヴの王宮の跡地です。アイルランドの神話に深く関わる土地で

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          【写真あり】アイルランドに行ってきました! part 1

          ¥500

          論文を寄稿した本が出ます

          こんにちは。今回は宣伝記事です。 私が論文を寄稿した書籍が出版されました。 12/5に笠間書院様より発行予定の『神話研究の最先端』になります。 私は『「ケルト」神話と「ケルト神話」――「ケルト神話」という語の妥当性について』というタイトルで、「島のケルト」問題と「ケルト神話」という語の使用について論じました。 私なんかよりもすごい先生方がたくさん書かれていますので、ぜひご購入ください。

          論文を寄稿した本が出ます

          ケルト神話翻訳してみた

          私はかねてより、いわゆるケルト神話を原語であるゲール語から翻訳し、noteにて公開してきました。 私が翻訳したのは「マグ・トゥレドの戦い」(Cath Maige Tuired)、「ブリクリウの饗宴」(Fled Bricrend)、「エウェルへの求婚」(Tochmarc Emire) の三つのエピソードです。以下はそれぞれの翻訳をまとめたマガジンです。 ケルト神話といえば、クー・フリン(クー・フーリン)やスカーサハ(スカサハ)、メイヴなどが有名ですが、以下の話にはもちろん彼

          ケルト神話翻訳してみた

          論文紹介「<研究動向>「ケルト」とは何か」(九鬼 由紀)/「ケルト研究の現在・過去・これから:近年の考古学,言語学,考古遺伝学の動向から」(常見 信代)

          「ケルト」って、何でしょうか。 そう質問されたらどう答えたらいいでしょうか? 私は多分答えられません。言葉に詰まってうなり声を出すしかなくなってしまう。 なぜかというと、これはまさに今議論の真っ最中の熱い議題で、はっきりした結論が出ていない問題だからです。今回は、この議題の論点を概括した二つの論文をご紹介します。 なんとこれらの論文、現在オープンアクセスになっており、誰でも読めます。日本語でケルト学の概論的論文がオープンで読めるというのはとてもありがたいことです。

          論文紹介「<研究動向>「ケルト」とは何か」(九鬼 由紀)/「ケルト研究の現在・過去・これから:近年の考古学,言語学,考古遺伝学の動向から」(常見 信代)

          『ムルセヴネのクーフーリン』翻訳同人誌監修しました

          皆さんお久しぶりです。 既にご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、グレゴリー夫人の "Cuchulain of Muirthemne" (1902) の翻訳同人誌が刊行されています。 翻訳をされているのはケイロカミオカ氏 (@Might_Overwhelm) 。シアトル住まいで占い師Vtuberというキャラの濃い方です。 "Cuchulain of Muirthemne" はグレゴリー夫人が集めたクーフーリンに関するゲール語の物語を英訳し、彼の誕生から死までの物語と

          『ムルセヴネのクーフーリン』翻訳同人誌監修しました

          マシュマロお返事5

          スカーサハの娘はウアサハ (Uathach) といいます。父親については特に何も書かれていないようです。私が訳した「エウェルへの求婚」(https://note.com/p_pakira/m/mc07a94fb37f6)に登場するのでぜひ読んでくださいね。

          マシュマロお返事5

          マシュマロお返事4

          とても間が開いてしまいましたが、マシュマロのお返事です。ご質問くださった方、大変お待たせして申し訳ありません。 一つ目のご質問です。 一般には妖精とされることも、また魔法使いともされることもないと思います。前身には馬の女神がいると考えられています。 その問題についてはもちろん把握しています。散々迷った結果の選択です。最終的には、耳目に触れない限りは、どれだけ正しいことを書いても無意味だと判断しました 2020/08/21 追記: 「ケルト神話」という語を用いるときは、

          マシュマロお返事4

          アイルランドの異教的伝承「マグ・トゥレドの戦い」⑬(¶162~¶167)

          私が翻訳したアイルランドの異教的伝承「マグ・トゥレドの戦い」(Cath Maige Tuired) をここに掲載していきます。 【前回】 前回は、ブレスが農耕の方法を教えることと引き換えにルグに命乞いをしました。 今回は、オグマとダグザを主役としたわずかなエピソード、そしてモーリーガンによるピローグです。 ¶162 一方、この戦いの中、戦士オグマは、フォモーレ族の王テスラの剣オルナを見つけた。オグマはその剣を鞘から抜き、きれいにした。するとその剣は、それによって為され

          アイルランドの異教的伝承「マグ・トゥレドの戦い」⑬(¶162~¶167)

          アイルランドの異教的伝承「マグ・トゥレドの戦い」⑫(¶149~¶161)

          私が翻訳したアイルランドの異教的伝承「マグ・トゥレドの戦い」(Cath Maige Tuired) をここに掲載していきます。 【前回】 前回は、フォモーレ族の王インジェッハづきの詩人である〈半緑〉のローッホ(前回参照)が、ルグに助命を請い、戦死者の数を数え上げました。 今回は、ブレスが発見され、ルグに助命を請う場面です。 ¶149 その後、ブレス・マク・エラサンを不意打ちする機会が彼らに訪れた。彼は言った、「私を助命したほうがいい、殺すよりも」 ¶150 「そうし

          アイルランドの異教的伝承「マグ・トゥレドの戦い」⑫(¶149~¶161)

          アイルランドの異教的伝承「マグ・トゥレドの戦い」⑪(¶139~¶148)

          私が翻訳したアイルランドの異教的伝承「マグ・トゥレドの戦い」(Cath Maige Tuired) をここに掲載していきます。 【前回】 前回は、トゥアサ・デー・ダナン神族とフォモーレ族の戦争で、多くの神が死にました。 今回は、フォモーレ族の王インジェッハづきの詩人である〈半緑〉のローッホ(前回参照)がルグに助命を請う場面です。 ¶139 〈半緑〉のローッホはルグに助命を懇願した。「ならば我が三つの願いを叶えろ」とルグ。 ¶140 「いいだろう」とローッホ。「エーリ

          アイルランドの異教的伝承「マグ・トゥレドの戦い」⑪(¶139~¶148)