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Photo by
ma_ruku
夫が、ムキムキのゾウさんになれますように
夫が、筋トレに励んでいる。
毎日のトレーニングの成果か、徐々に身体も引き締まってきて、本人も嬉しそう。
昨日も、トレーニング後の自分の身体を眺めて、「いい感じにゾウさんになってきたと思うな」と言っていた。ゾウさん?お鼻が長い彼か?
どこがゾウなのか、全くわからない。
しかし、夫のやる気に水を差すようなことは避けたい。
「ゾウさん?」と、慎重に声をかけてみる。
「そうそう、ほら、ここが目で、ここが鼻」
ふーん、なるほど。どういうこっちゃ。
夫の説明によると、ウエストがくびれて、腹筋の部分が目立つようになったのが、ゾウの鼻に見えるとのこと。
いいたいことは、わかる。
でも、正面からみても、ゾウさんっぽさを感じることができない。すまぬ、夫よ。
「ごめん、ちょっと、わからんわ」と、正直に伝えることにする。
ゾウさん、ゾウさんねえ。
百歩譲って、とぼけた人間の顔なんだよなあ。
なんとか、想像力を働かせてみる。
うーん、そうね。お、ちょっと、ゾウが見えてきましたよ。
「あのさ、肩の辺り鍛えて、ムキムキになったら、ゾウの耳みたいになるんじゃない?」
絶対そう。その方が、ゾウのフォルムに近づくはず。「あー、確かにそうかも」と、夫も同意してくれた。
「そうだよ、この辺が、耳!」と、夫の上腕の辺りを指さす。「で、目と、鼻じゃん!!」
夫がさらに筋トレを極めて、立派な上腕二頭筋を手にいれた際には、「夫くん、めっちゃゾウさんみたいになったじゃん」と、褒めてあげようと思う。