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音楽日誌_2024年11月3日日曜日

文化の日ガンズ聴く

Guns and Roses
Use Your Illusion Ⅰ, Ⅱ
Geffen / 1991

休日出勤不定期レビュー。旗日にふと思い立って旧作にあたったりします。

先日のMC5の最終作にも客演するスラッシュがオリジナルメンバーの1980年代末の米国西海岸を代表するロックバンドで、大ヒット作『Appetite For Destruction』(1987年)のころはヘアメタルの残り香むんむんのダーティなハードロックだったが、4年後の本作では前作で獲得した幅広い聴衆へ訴えうる作品を、との気概もほのみえる。『〜Ⅰ』と『〜Ⅱ』2作同時リリースで、全30曲、ともに、ベートーヴェンの第九が収録できるようにとの理由で決まったというCDの収録時間いっぱいで、2枚聞き通すと2時間半かかるが、スパニッシュからレゲエ風味、映画音楽風、カバー、王道バラード、実験作とバリエーション豊富で聞き飽きない——というか、こんなに構成力がある人たちだったのね、とガン無視を30数年後に反省。とまれ私なりいいわけもあって、ひとつには冒頭のベースが象徴的なコンプがしっかりかかったサウンドへの忌避感というか、グランジに向かう過渡期(ちなみにノンエフェクトのギターカッティングではじまる「Smells Like Teen Spirit」を冒頭に置くニルヴァーナの『Nevermind』とは同年、同じ会社からのリリース)にあって次代の旗手たちの後塵を拝した感なきにしもあらず、と感じたのでした。そのことがオルタナティブの対抗軸としての王道=アメリカンロックぶりを際立たせもするのだが。


I hope we could be good friends.