『ルックバック』のバリアフリー音声ガイドに向けた背中
本日Amazon Prime Videoより配信開始の『ルックバック』のバリアフリー音声ガイドを制作しました。
『ルックバック』をきっかけに自分が書いてきた音声ガイドのことを振り返ると、書き始めてから4年経った2018年にメディアに取り上げていただき、自分を肯定できる仕事が見つかった!と浮かれ上がっていた時に、第一子の流産という出来事に直面。毎晩泣いている妻の傍にいるしか出来ない無力さを感じる日々。身近な人を自分の不幸の引力で巻き込み、どん底に突き落としてしまったという事実。受け入れ難い状況と激しい感情に暮れた。
“芸術は人を救う事は出来ない”ような錯覚を陥り、その声を真っ向から受け止め、それでも何クソと喰らいつくように筆を走らせてきた。大好きなあの人のことも、大好きだったあの作品も、全部全部全部全部、大切な宝物。絶対に汚すわけにはいかないという気持ちで地面を踏みしめてきた。
子供の存在を残すように書いた作品もあったし、手を繋いで一緒に空まで飛んでくれて大丈夫だよと言ってくれた作品もあった、与えるよりも与えられた方が大きかった作品もあった。
そして今回の『ルックバック』は6年前に喪った子供の命とまた触れ合う時間だった。それは愛おしくて離れ難い時間。自分は書くしか出来ない、ので、描く背中を見ててと話しながら。でも、そろそろ僕は君を送り届ける事にするよ。これが僕と君の最高の人生と言えるようになったから。この先も君を想い続ける。いってらっしゃい、笑顔の花の中で。
Don't look back in anger.