![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159593926/rectangle_large_type_2_f4d3bd86081e5c1dec0bd8c65d171f58.jpeg?width=1200)
【感想】〜雉が不死鳥を超えた日〜 第36節.vs横浜FC(アウェイ)
【〜お読みになる前に〜】
ご覧いただきありがとうございます。
このページは、サッカー初心者が試合観戦して思ったことを綴っています。
専門的に見れる方、クラブを応援してる方から見るとズレている内容もあるかもしれませんが、1感想として楽しんでいただけたらと思います。
【3行要約(さらっと読みたい方へ)】
・局面の勝負で勝ち続ける重要性
・最強のチャレンジャー精神の体現
・必要なのは人数じゃない。熱量だ。
【スタメン発表】
今節の変更点は、久々に藤田選手に変わり輪笠選手。そして控えに齋藤選手です。
ボランチにおける輪笠選手の採用は、ボール回収に重きを置くより、速攻と展開力により横浜FCの中盤を抑える意図が読み取れました。
また、齋藤選手については、後半70分以降の疲労がピークに達するタイミングで相手DF陣をかき乱すことや、フィジカル勝負に対応するためのオプションと感じました。
ブローダーセン選手、田部井選手、そして一美選手は古巣対戦、そして相手はJ1自動昇格がかかっている試合ということもあり、非常に強い思いを持って望まれる試合になるでしょう。(試合前練習には高木選手も帯同していました)
【全体レビュー】
〜攻撃面〜
非常に強度が高く、攻守のトランジッションも速い展開の中、試合開始前に木山監督も言われていたとおり、局面で、1対1で負けないということが試合を通して求められました。
レビューでは得点シーンが取り上げられがちですが、得点に至る前のボール奪取、ドリブル突破等非常に多くの場面でファジアーノの選手が勝ち切るシーンが多く、今節の勝利につながったものと考えます。不在であった藤田選手の対人力を選手全員が持っていたと錯覚するほどでした。
また、片方のサイドに固執せず、サイドチェンジを選択するタイミングもあり、コンパクトな攻めと広さを使った攻めを両立した展開でした。
DAZNのスタッツでも左サイド・中央・右サイドにおける攻め比率が33%ずつであることも、サイド偏重ではない柔軟な攻め方ができていた裏付けであるかと思います。
特に起点となるサイドチェンジを何度も行っていた本山選手。
本職はCB・ボランチですがWBもこなすユーティリティ性が毎試合高まっていると感じます。今までは柳(貴)選手の定位置でしたが、シーズン終わりまで本山選手がつとめても遜色ない実力と感じます。
夏に嵯峨選手も加入しましたが、WBもファジのポジションで最も競争の激しいポジションの1つであると感じています。
1点目、田上選手が相手選手の潰しからの1人かわして、相手DFラインの間をつくスルーパスに、岩渕選手が反応し、GKを交わし無人のゴールへシュート。
両選手のアイコンタクトから絶妙な針の穴を通すパスと岩渕選手のダイアゴナルランがひかるプレーでした。岩渕選手は前線に張り付くより裏抜けやこぼれ球を狙うプレーが際立ちますね。
2点目、前半終了間際、横浜FCの時間が続く中、末吉選手の左サイドからのカウンターがCKとなり、田部井選手のフィードを一美選手が折り返したところを喜丈選手が左足で押し込み。ハーフタイム後に追いつかれる可能性もあるため、ここで追加点を取れたことは、良い勢いを後半へつなげるためにも大きい意味がありました。また、横浜FCに対しても、攻めきれず失点した意識を植え付ける点でも効果がある得点でした。
3点目、一美選手の相手選手4人を手球にとる体幹と器用さを兼ね備えたドリブル。
また、シュート直前に岩渕選手がダイアゴナルラン(斜め方向に走る)を行うことで、相手選手を1人引き連れ、スペースを創出しました。空いたスペースを埋めるためスライドした相手選手が、一美選手とGKのカーテンになったところをゴール右隅へ綺麗にシュート。
誰もが待ち望んだ一美選手のゴールでした。ゴール後ベンチも含めハイタッチ包容をしており、全員で喜びを分かち合っていました。
4点目、CK獲得から、田部井選手のフィードに対して田上選手が綺麗に頭で合わせた得点。日を追うごとに精度が上がっている田部井選手のプレースキック。その裏には神谷選手の存在を感じます。
【得点シーンのひと言感想】
1点目:前節に続いて
2点目:前半で2点目は大きい!!!
3点目:一美、、、やっと決めてくれた、、よかった、、、
4点目:勝ったじゃん。今日もう絶対勝ったじゃん、、、!
〜守備面〜
J1クラスの攻撃力、トランジッション、プレースキックを武器に向かってくる横浜FC。例えば、前半24分の横浜FC福森選手のCKをクリアしますが、その後スローインから即クロスを上げるなど、切り替えの間にある隙間の時間をつくプレーが多く、失点を覚悟したシーンでした。
一方攻撃面でも記載しましたが、ここでも「局面で負けていない」。この一言に尽きるかと思います。
また、ユーリララ選手、ジョアンパウロ選手などフィジカル勝負が想定される選手へは必ず2人で当たること。前線から連動したプレスなど細かなルールも散見され、緻密な戦術を散りばめ、横浜FC攻撃陣を抑えていたと思います。
特筆すべきは、田上選手。DFライン、中盤においてほぼ負けていなかったのではないでしょうか。さすがJ1アルビレックス新潟にいた選手。ファールにならない絶妙なハンドリングが多く、ひやっとするようなシーンもしっかり抑えていました。
守備面が注目されがちですが、今節は1ゴール1アシストと攻守に渡り支えてくれました。個人的にはMVPですが、今節は、全員が待ち望んだゴールを決めた一美選手がMVPで納得です。
また何度も訪れたピンチも最後の砦ブローダーセン選手がシャットアウトし、相手攻撃陣を寄せ付けないプレーを魅せてくれました。
反面、後半横浜FCが交代選手を投入したタイミングあたりから、押し込まれる展開が増えました。一気にギアが上がり、昨シーズンJ1で戦ったクラブの圧を感じ、ルカオ選手、神谷選手も自陣まで下がっての守備の時間が増えていました。
そこで注目したのは、久々となる齋藤選手の投入。やはり、後半足が止まり始めたタイミングで押し込まれ気味になっていたラインを押し上げる役割とプレスをかけ続ける役割をになっていました。
後半85分のシーンがまさにそれです。櫻川ソロモン選手の絶好のチャンスからのカウンター。ラインを一気に相手ペナルティエリアまで押し上げた推進力はさすが齋藤選手です。
(余談:齋藤選手元々CF登録かと思いますが、100mの記録が、セルティック前田大然選手とほぼ同タイムと聞いたことがあります。その上、鍛え上がったフィジカルを持っているため、CFよりシャドーやウィングの起用が合っていると感じます)
1点目はクリア不足からの失点でした。前半から攻守に渡り上下運動を繰り返していた喜丈選手のスタミナ落ちを狙われた感が否めません。(結果論ではありますが、実際、交代の準備があったため、速いタイミングで攻撃を切れたらまた違った結果だったかもしれません)
2点目は、難しいですが、柳(育)選手のマークミスかなと思います。
しかし、田上選手が櫻川ソロモン選手のマークについてる中、マークに向かっていることを見ると、やはり櫻川ソロモン選手にも原則2人で当たるように定めていたのでしょうか。
ゴール前で1対1は最も防ぐべき状態です。強度の高い試合でいつもより視野が狭まることもあると思いますが、POに向けて更なる判断力の向上に期待です。
【失点シーンのひと言感想】
1点目:あー、、仙台と同じくクリーンシートは厳しいかぁ
2点目:同じ展開で崩されたな、、2点リードあるのに最後まで油断できないな
〜そのほか〜
・試合前、森井社長がゴール裏まで足を運ばれ、サポーター1人1人とグータッチをされました。POに向けて首位との負けられない対決で、社長自らスタジアムにお見えになられるだけでもサポーターの士気は何倍も向上します。今節の勝利は社長のきめ細やかな配慮も一因と感じます。
・ゴール裏初めて入りましたが、本当にピッチと選手と距離が近く臨場感が桁違いでした。やはり総合運動競技場とは感じられる深さに違いが出そうです。サッカー専用スタジアムほしいですね、、、
【まとめ】
残り3節のうち最も激しい戦いになると予想していた横浜FC戦。
試合中1度の緩みもない高強度なぶつかり合いの90分間でした。
昨日JEF千葉さんが勝利していることもあり、PO進出へ勝利のみが求められるプレッシャーの中、しかも1万人近くの横浜FCサポさんに対してファジサポは約1000人で立ち向かうという、アウェイを感じるにはもってこいの状況のおまけ付き。
個人的にはこの上ないほど楽しい状況で、どんな試合を魅せてくれるのか非常に期待していました。(この状況で勝ったら、ファジサポ約1000人は横浜の地を胸を張って帰れるのです。アウェイでの勝利はそれほど格別です。※アウェイ2回目の人)
さて、冒頭から局面での勝負ということを繰り返しお伝えしていましたが、本当にマッチアップひとつひとつが鍵でした。体格さ、スピードなど様々な勝負のなかで後手に回ることもありますが、そこを気力や走り切る、フィジカル勝負に持ち込ませないなど、多角的な攻略によりその差を埋めることで、対等に立ち会うことができていたと思います。
ただその対応による疲労は絶大なもので、試合前に多くの選手が倒れ込んだシーンから、高い強度の試合内容であったことを物語っています(あの太哉選手が足をつるレベルです)。
本来は全選手書きたかったのですが、文量も考慮し、特に目立った選手のみを取り上げました。(末吉選手も取り上げたかったです)
また、上記にはあえて記載しませんでしたが、今節の影の立役者は輪笠選手と感じます。
攻守に渡り周囲の選手のサポートのため縦横無尽に走る姿。チャンスと見れば強烈なミドルシュートを叩き込み、カウンターの芽をしっかり摘む。それでいて悪目立ちがないというボランチの鏡のような選手です。
実戦から遠ざかっていたこともあり、試合勘が心配ではありましたが、ハイインテンシティな練習をされているのでしょう、そんな心配が杞憂で終わるほど高いクオリティを見せてくれました。
今節の勝利は今シーズンを駆け抜ける上で非常に重要な試合でした。
首位かつリーグ最少失点のクラブを相手に、勝利だけではなく、前節のベガルタ仙台さんを超える4得点(プレーの流れから2点、セットプレーから2点)を叩き出したことは、POを戦い抜く上で選手にとって非常に自信になったのではないでしょうか?
また、サポーターにとっても、堅守のクラブを貫ける攻撃を魅せてくれたファジにさらに期待ができますし、仮に先制点を取られた場合でも、ファジなら逆転できると信じる根拠にもなり、応援の勢いが増すことにつながると考えます。
そんな応援ですが、Cスタと異なり、ゴール裏があるニッパツでの今節の試合は、前後半における応援圧を考慮したコート選びをクラブとして行ったそうです。
ホーム・アウェイの人数は違えど、この人数差を埋めることができるものが「熱」と感じました。ただチャントを行うのではなく、選手のあと一歩を後押し、一瞬の競り勝ち等、力を捻り出すための気持ちを送る。それが「熱」と感じました。
もちろん人数差があるため、単なる「声量」では差は出るものの「熱」の部分は同じ、いや、上回ったからこそ、勝利につながったと感じています。
選手も監督もスタッフも森井社長もサポーターも全員が局面で勝ったからこそ掴めた勝ち点3であると実感した試合でした。
次節はいよいよホーム最終ゲームです。現時点で1万人以上入る予定とのことで、非常に盛り上がることは間違いありません!
全員が連勝に向けて最高の雰囲気で迎えましょう!
【Coffee Break】
・ユーリ・ララ選手のイントネーション、バーバ・パパと同じ
・フリーキックの壁について、サッカー初観戦の友人が「写真撮影で並んでる?」と言っていました。確かに正面から見るとそう見えなくもないかも、、、?