ぴよ

数学が大好きな仔

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最近の記事

マジカルな魔方陣

英語で magic square という魔方陣ですが ではありません ファンタジー小説やアニメーションでは欠かせないものですが、こちらは魔法陣 (magic circle) と書きます これは古代中国の洛書に載っている図です 中国の伝説に出てくる夏の大禹が洪水を治めようとしたときに、洪水の中から神亀が現れ、その甲羅に書かれていたのがこれだそうです ●や〇の個数を図にすると  この図は縦横斜めそれぞれ3つの数を足すといずれも15になるもので、一般に1から $${n^2}$

    • 5次方程式の解の公式がない!?

      解の公式がないとは、代数的に解けない(有限回の四則演算と有限回の累乗根だけでは表すことができない)ということです 解の公式について考えてみる2次方程式の解を求めてみる まず、2次方程式の解の求め方といえば平方完成…。 ここから解の公式を得ることができます (因数分解は勘を働かせて解く方法なので除きます) 例えば、  $${x^2-6x+3=0}$$  $${x^2-6x=-3}$$  $${x^2-6x+9=-3+9}$$  $${(x-3)^2=6}$$  $${x-3

      • 0の0乗はいくらか

        $${a^0}$$ はいくらと考えるのがよいでしょうか $${a>0,\ m,\ n は自然数}$$ とすると、 指数法則 $${a^m \times a^n =a^{m+n}}$$ は自然に成立しますが、 $${a^m \div a^n}$$ は  $${a^m \div a^n =\left\{ \begin{matrix} a^{m-n} & (m>n) \\ 1 & (m=n) \\  \displaystyle \frac{1}{a^{n-m}} & (n>m) \

        • 1+2+3+4+……=-1/12 となるのはなぜ!?

          不思議ですね 普通は $${1+2+3+4+\cdots =\infty}$$ です それがゼータ関数  $${\displaystyle \zeta(s)=\sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n^s}=1+\frac{1}{2^s}+\frac{1}{3^s}+\frac{1}{4^s}+ \cdots}$$ を間に挟むと  $${\displaystyle 1+2+3+4+\cdots=-\frac{1}{12}}$$ が得られるというのです ちなみに

          増える増えるどんどん増える!?

          おかしなこと1 これは The Vanishing Leprechaun というパズルです 14人の妖精が描いてある絵があります 黒い直線に沿って3つに分け、上の2つを入れ替えると……… あれ?15人に増えました どこに隠れていたんでしょう 14人の妖精が…… 下を1つ右にずらすと、15人に増えました この原理を一番最初のパズルに対応させています 確かに図1にあった左端のひざ下や右端の頭の上が、図2ではどちらもなくなっています 増えた一人分の身長分の長さをみんなで

          増える増えるどんどん増える!?

          RSA暗号にチャレンジ

          これはコナン・ドイルの小説『踊る人形』(1903)の中で出てくる暗号文です 換字式暗号の一種で、英語では「E」の文字が使用頻度が高いことから、最初の暗号から一番多い絵文字が「E」であることと推測、また旗が単語の区切りと推測して解読していきます (頻度の順は概ね E, T, A, O, I, N, ……, J, X, Q, Z、3文字の場合では t-h-e, a-n-d, i-n-g, i-o-n, ……) 暗号の歴史 暗号の歴史は古く、紀元前19世紀の古代エジプトまで遡る

          RSA暗号にチャレンジ

          巨大数(1) 演算の拡張

          足し算、かけ算、指数ときてそれを発展したらどうなるのかって考えてみましょう 考えたこともないことを考えるのはちょっとわくわくしませんか かけ算 $${\underbrace{a+a+a+\cdots +a}_{b個}=a\times b}$$ 指数 $${\underbrace{a\times a\times a\times \cdots \times a}_{b個}=a^b}$$ これを $${a↑b}$$ と表すことにします これは指数の形では演算記号が見えないから

          巨大数(1) 演算の拡張

          自己相似図形の世界

          シェルピンスキーのギャスケット 正三角形の中から半分の大きさの正三角形を切り出し、さらに残った3つの正三角形からその半分の大きさの正三角形を切り出します こうして残った図形の正三角形部分から半分の大きさの正三角形を切り出す作業を続けるとどうなるでしょう どの一部分を見ても全体と相似に見えませんか このような図形のことをフラクタルといいます 先ほど取り上げた図形は『シェルピンスキーのギャスケット』といいます この極限図形の面積は0です なぜかというと、元の正三角形(図1)の

          自己相似図形の世界

          ものの見方を変えてみれば……

          双対の原理 数学の定理や問題の中には一見すると違ったものが見方を変えると似ているものがあります 例えば高校1年で習うチェバの定理とメネラウスの定理があげられます この2つの定理ではどちらも条件を満たせば  $${\displaystyle \mathrm{\frac{BP}{PC} \cdot \frac{CQ}{QA} \cdot \frac{AR}{RB}}=1}$$ という式が成り立ちます 全く違った条件の図で同じ等式が導かれるのは不思議と思ったことはありませんか

          ものの見方を変えてみれば……

          天気予報を漸化式で推測しよう

          ローレンツアトラクタ 『宇宙人ⷶは数学̟を使って世界を理解しようとするのか』さま作成のローレンツアトラクタです 美しい動画なので引用させていただきました ローレンツアトラクタとはローレンツ方程式という大気変動の簡易数学モデルの解を視覚化したものです ちなみにローレンツ方程式とは  $${\displaystyle \frac{\mathrm{d}x}{\mathrm{d}t}=\sigma(y-x)}$$  $${\displaystyle \frac{\mathrm{d

          天気予報を漸化式で推測しよう

          マルコフのディオファントス方程式の興味深さ

          『マルコフのディオファントス方程式』という不定方程式  $${x^2+y^2+z^2=3xyz}$$ というものがあります ディオファントス方程式とは ディオファントス方程式とは整数の係数で多変数の方程式のうち解が整数(または自然数)になるものをいいます 高校1年で習う1次不定方程式「$${23x+73y=1}$$ の整数解を求めよ」はユークリッドの互除法で解きますね また、 $${x^2-61y^2=1}$$ のような形の方程式は『ペル方程式』と呼ばれていて、最小の自然

          マルコフのディオファントス方程式の興味深さ

          円周率の日

          と、いうと3月14日でしょ っていわれちゃいますが、世界では7月22日を円周率の日としている国もあるのです それはヨーロッパなどでは日付の表し方が22/7としていて、これが約3.1428と円周率の近似値になっているからなのです それにしても円周率は本当に興味を惹かれてやまない数ですね 円周率の値を求める計算に人生をかけたウィリアム・シャンクスは707桁まで計算しましたが、527桁までが正しくそれ以降は間違っていたとか…… かと思えばインドのラマヌジャンのように寝ている間にヒ

          円周率の日

          健康診断の再検査は受けよう(条件付き確率の話)

          確率は単純なものは単純でいいですよね 例えば 全体Uの中から無作為に1個選んだときそれがCである確率は? CというのはAとBの共通部分なので $${\mathrm{A\cap B}}$$ と表します ものを1つ選ぶのは差がない(同様に確からしい)ので $${\mathrm{A\cap B}}$$ である確率$${\mathrm{P(A\cap B)}}$$は  $${\displaystyle \mathrm{P(A\cap B)}=\frac{n(\mathrm{A\c

          健康診断の再検査は受けよう(条件付き確率の話)

          アルキメデスの取り尽くし法による放物線の求積

          前回ピタゴラスは $${\sqrt 2}$$ が数の比(有理数)にならないかと夢見て取り尽くし法でチャレンジし、夢は散り果てました しかし取り尽くし法を用いたのはピタゴラスだけではありませんでした ユークリッドの『原論』を頂点とした様々な数学が花開いていました アルキメデスの放物線の求積問題もその一つです 当時はもちろん積分はありませんでした だから求める方法といえば取り尽くし法だったのです はじめアルキメデスがこの関係に気がついたのは天秤による実験でした この推測を確

          アルキメデスの取り尽くし法による放物線の求積

          ピタゴラスと√2の戦い その2

          √2が有理数であるという可能性を求めてその1で証明を2つほどあげましたが、本当にピタゴラスの証明したかった形なのか少し疑問が残ります なぜなら『万物は数』なのです 否定をするのではなく肯定を導きたかったのではないかと思います そして彼が考えついたのが連分数による数の表示です  $${\displaystyle \sqrt{2}=1+\frac{1}{2+\frac{1}{2+\frac{1}{2+\frac{1}{2+\frac{1}{\ \ddots}}}}}}$$ 厳密

          ピタゴラスと√2の戦い その2

          ピタゴラスと√2の戦い

          万物は数である (哲学の時代)「万物は数である」 BC6世紀にそういったのは数学者であり哲学者でもあったピタゴラスです ここでいう『数』とは自然数とその比のことです その頃ギリシャの色々なところで様々な哲学が生まれていました 例えば ミトレスにいたタレスは『水』、 同じくミトレスにいたアナクシメネスは『空気』、 トラキア地方のアブデラにいたデモクリトスは『アトム(原子)』、 エフェソスにいたヘラクレイトスは『火』、 コロフォンにいたクセノパネスは『土』、 シチリア島のアクラガ

          ピタゴラスと√2の戦い