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転職について真面目に語ってみた

転職する理由というのは、もちろん当人しか知りえない個人的な事情も含めると十人十色であることは言わずもがななのですが、ここでは

「今の職場に不満があるから転職する」

という単一的な観点からお話を進めてみたいと思います。もちろんもっと他にやりたいことを見つけたというポジティブな理由や、年齢的なものであったり、親の介護などやむを得ないケースでの転職もあると思いますが、それらはまた別の機会に。

いきなり話は変わりますが、仕事には「慣れ」と「成長」が不可欠です。
社会人数年目の方は思い起こして欲しいのですが、初めて働いた時は朝早く起きるのも、満員電車に乗るのも、駅から会社までの道のりも全てが慣れないことばかりで今よりもずっとしんどかったのではないでしょうか。
最初のうちは「こんなの何十年も続けられないよ」と思っていても、慣れてくれば意外と平気でやり過ごすことができるものです。
もう一つの「成長」はもっと分かりやすくて、コピーのとり方から上司との接し方、どんな書式で資料を作れば得意先からのウケがいいのか……などを次第に身につけていくことでしょうか。私は営業や事務仕事しかしたことがないので偏った書き方になっていますが、これが例えば小売店での接客業なら、品出しの要領や厄介なお客さんへの対応方法などが当てはまるのかなと推察します。

この「慣れ」と「成長」の伸長曲線は最初の数ヶ月〜2、3年目までは凄まじいものがあり、個人差はあれどさして時間を要さずに独り立ちできるようになります。
もちろんその先10年目、20年目も成長は続きますが伸び率で言えば鈍化するし、周りの環境に応じて適応していくといった変化が主になってくることを考えると「成長」というより「成熟」と表現するのが適切かもしれません。

さて、ここで転職に対していきなりネガティブなことを言うと、職を変えるということは最初の数年で得た「慣れ」と「成長」を棄てるということになります。
もちろん似たような業種・職種であったり、通勤先がさして変わらなかったりすると転職先でもそのまま引き継げるものは残るかもしれませんが、「慣れ」と「成長」の多くを失ってしまうと考えて良いかと思います。

だから転職はやめておいた方がいい、ということではなく、転職する段階で多かれ少なかれマイナスを背負い込むことになるということは自覚しておいた方がいいというのがここで伝えたいことです。
つまり、転職する以上は今の職場よりも目に見えて条件が良くならないと意味がないのです。ほぼ同じ条件、ましてや条件が悪くなるなど言語道断です。
いや、何当たり前のことを言ってんだ?と冷静なツッコミをいただきそうですが、これまで見てきた転職希望者を見るに
「今の職場が嫌すぎてもうどこでもいいんです」
という考えのひとはざらにいました。
嫌だから、辞めたいからこそ、冷静に損得勘定を働かさなければますます傷口を広げることになります。

まずやるべきは、今の職場に対する不満、辞めたいと思うに至ったトリガーを紙でもなんでも良いので書き出すことです。
給与、立地、拘束時間、休日、仕事内容、福利厚生、経営状態……色々あるかと思いますが、思いつく限り全部書き出して複数ある場合は順位付けをしてください。
初めに断っておくと、全ての条件をパーフェクトに満たす企業はありません。いや、探せばあるのかもしれませんが見つけられるとは思えないし、そもそも競争率が高すぎて入りにくい。また、人が辞めないから中途枠が空かない……と言った事情があり現実的じゃないので見なかったことにしましょう。

なので、順位付けをした1〜3位くらい(ウエイトにもよるけど、譲れないもの)を眺めてみて、それらの不満を払拭できるところを探すというところがスタート地点かと思います。

このご時世、玉石混淆ながら求人はいくらでもあるのだから転職サイトやエージェントに登録すれば候補はすぐにいくつか出てくると考えられます。
ここでエントリー先を選ぶ最大のポイントとしては、「ずっと求人出してるやん」ってところは避けること。
しかしそれを見抜くためには必然的に数ヶ月間転職サイトをウォッチし続けていなければなりません。
そう、転職活動はすぐに決めると不利なのです。新規登録者は求人サイトにとっては最高のカモです。誰も手に取らなくなった手垢べっとりの売れ残り商品を何も知らずに買ってくれる最高のお客さんです。
あなたが素晴らしい選球眼を持っているのならすぐに決めてしまってもいいのですが、そもそも職場が嫌で辞めてしまいたいと思い始めてるタイプのひとにそんな器用な能力を期待してはいけないと個人的には思います。

また、転職活動を通じて色々な会社の労働条件を見ていくに従って
「あれ?意外とウチって給料悪くないやん」
「職場ってだいたいどこも遠いんやな」
みたいな発見があるかもしれません。(今いる企業が余程ブラックならどこを見ても天国に見えるかもしれませんが)
最終的に職場を変わることはできなくても、自分の意識や価値観が変わることで結果的に職場に対する不満を軽減できたのならそれはそれで結果オーライなのです。

色々書いてしまいましたが、言っても私だってそんなに多くの知見を持っているわけではなく、単に転職者の多い職場で働いている都合上、色んなひとから様々な経験談を聞いているに過ぎません。
ひとの生き方に「これが正解!」なんてものはないし、それを示そうだなんて烏滸がましいことだと思いますが、少しでも転ばぬ先の杖になればと思い、めずらしく真面目にこういうのを書いてみました。

最後に、転職するにあたって一番お勧めしないのは「この人が嫌だから辞めたい」パターン。経験上、どこにいっても嫌な人はいます。
例えば、趣味としてオタ活してても気が合わないなぁというひとがいたりするんだから、ほぼ毎日通う職場ならなおのことなのです。
ハラスメントとかのケースでない限り、そこは割り切る力を身につけるか、相手を黙らせるだけの力を身につけるしかないです笑

それでは、良きお仕事と巡り合い、推し事がますます捗ることを祈念しつつ結びにしたいと思います。知らんけど。(いや、イコラブの話は?)

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