東京の街の“寂しさ”が、東京を愛するわたしをつくった
「東京にいる君は、なんだか大人になったね」。久しぶりに会ったその人は、わたしにそう言った。
もしかしたら“大人になってしまったね”と、訳するほうが正しいのかもしれないな。
その人とは、わたしがまだ社会人になる前に浅草のゲストハウスで出会った。まだまだ社会のことも何も知らずにヘラヘラしているわたしに「君はいつも幸せそうだからずっとそのままでいてね」と、笑顔で言ってくれた人だ。ベトナムに住んでいたとき、隣のタイに住む彼は、わたしのことをいつも楽しさの渦に巻き込んでくれた。そし