Novelber 22nd—凍てつく歌 1 稲見晶 2019年11月26日 22:56 生きとし生けるものみな眠りに就くこの長き夜。 透けるかと見紛うほどの白馬が凍土に蒼き跡を残す。 手綱を引く冬将軍。その姿は苛烈に麗しく。 白銀の髪は靡き、追って鋭く霜は煌めく。 真白の大地を見晴らし災厄を討つは彼女が業。 清き芽吹きを、実りの土を、春姫君へ継がん為。 戸を閉めよ、窓を鎖せ。 彷徨える「眠り損ない」は声を騙りて人を呼ばう。 戸を閉めよ、窓を鎖せ。 白き腕が氷柱もて「眠り損ない」を貫くまで。 雪が全ての音を消すまで。Novelber 22 お題「冬将軍」※お題は綺想編纂館(朧)さま主催の「Novelber」によります。 ダウンロード copy #小説 #稲見晶 #Novelber 1 当面、サポートいただいた額は医療機関へ寄付させていただきます。 どうしても稲見晶のおやつ代、本代、etc...に使わせたいという方は、サポート画面のメッセージにてその旨ご連絡くださいませ。 サポート