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これからの塗料販売店に必要な営業スキル

営業のステージ

 営業には4つのステージがある(下図)。縦軸に購買するユーザーの知識レベル、横軸に販売する自社(自分)の知識レベルを4象限にわける。営業は、下請け営業からはじまり、御用聞き営業、コンサル営業、価値共創営業とステージが上がる。

ステージ1:【下請け営業】入社~1年
(顧客は商品の事を知っているが、私は知らない)


 入社後、顧客を訪問して何か頼まれても、取扱商品を把握していないため、即答できない。したがって、顧客から何かを依頼されたら、とにかく「わかりました。すぐ調べて折り返し電話します!」という営業をおこなう。その繰り返しによって、塗料を勉強し塗装工事の現場を把握し学んでいくのである
スキル:相手の意見を聞き早く調べて解答するタイムマネジメント

ステージ2:【御用聞き営業】1年~3年
(顧客は商品の事を知っている、私も知っている)

 お客様の御用をお聞きして指定された商品を指定された納期までに納品する営業方法。顧客から何かを依頼されたら「わかりました。明日朝7時にお届けします。」と即答できる。この解答するためには、商品を取扱うメーカーの出荷基準や出荷方法、価格などを把握しておく必要がある。また、その他の営業としては「何かお困りごとはありませんか?」「これ必要ですよね?」などがある。
スキル:塗料・塗装工事・機械・道具などの幅広い商品情報

ステージ3:【コンサル営業】3年~5年
(顧客は商品の事を知らないが、私は知っている)

 顧客がその商品で何をしたいのかをヒアリングし、顧客の目的に最も適した商品であるかどうかを重視して商品提案を行う営業方法。
 次回の物件は、戸建てで北側の外壁にカビが生えて困っている。「カビが生えない塗料はこの塗料とこの塗料です。御社の施工体制であれば、この塗料を1工程で仕上げられる。この塗料がお勧めです」と提案できる。この解答するためには、自分が取り扱っていない商品も把握しており、相手に伝えるための資料の作成能力やプレゼンの能力が高い必要がある。
スキル:顧客の視点に立つには、相手の儲けに関する会計知識、問題を解決するための解決事例を数を多く知っておく

ステージ4:【価値共創営業】5年~
(顧客も私もその事業を知らない)

 協働して共に新たな価値を創造すること。顧客と自分の関係性が商品の取引的関係だけではなく、より深い関係性となっており一緒に新事業を創ったりする営業方法。他の業界でこんなサービスが流行っているらしいけど、塗料業界だったらこんなことが出来そうだよね。「それだとこんな新しい商品が出ているので試してみましょう。そのサービスが出来れば、他の印刷業界にも提案できて、売上はこのように計画できます」
スキル:ビジネスマッチング、ネットワーク、テクノロジー、M&A、組織、リーダーシップ、クリティカルシンキング、競争戦略、マーケティング、塗料塗装業界、類似業界

 

まとめ

 ステージ1~3の営業はネットに代替されつつある、商品の情報はネットで得られ、比較検討もできる。コメント機能が付いている場合、それを使ってどのような便益が得られたかまで事細かく情報が取得できるようになった。したがって、多くの場合の営業がネットに代替される。この土俵の営業で勝つためには、競合より価格を安くし、早く持って行く、そして無理を聞くなど過剰サービスを強いられることになる。その結果、顧客は月に数万円メリットが生まれるかもしれない。しかし、そんな数万円より、数百万円の売上が毎月計上されるような新たな仕組みや事業を一緒に生み出すようなステージ4での営業を行いたいものである。そのために塗料業界以外の知識を身につけていこう。

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