カフェオレとおばけ
静かな静かな夜に、むくりとあの子は目を覚ました。
目をこしこしこすり、そろそろと階段をおりる。
いすに座って、ぽけっと5秒。
寝る前に使ったマグカップをさっと水でゆすいだ。
カフェオレをそそいで、レンジでチンする。
まだ真夜中。
だんだんだんだん眠くなって
チン!の音で、いすをガタリとさせた。
できたてのカフェオレはとってもあちちで。
すこし冷めてほしくて、冷たい牛乳をちょろりと入れる。
白い丸がぽわっと広がる。
スプーンをいれると、丸にしゅっとしっぽができた。
まるで絵本で見たおばけみたい。
にやにやしちゃって、少し見つめる。
おばけもなんだか笑ってるみたい。
じわじわカフェオレに溶けこんで、おばけは姿を消した。
まだまだあちちなカフェオレを、あの子はゆっくり飲みほした。
おやすみおばけ。
カフェオレおいしいね。