クリープハイプとの10年間。

春、大好きなクリープハイプの尾崎世界観が新刊を出すらしい。

「私語と」

今まで書いてきた歌詞に新たな書き下ろしを加えた、「歌詞集」。

私語と仕事を掛け合わせた、言葉遊び。

そこで気付いた。

今年メジャーデビュー10周年らしい。

ということは、
私もクリープハイプと出会って、
10周年になるらしい。

専門学生時代に、
読んでいたファッション誌の音楽コーナーに
小さく記事が載っていた。

その小さな記事を頼りに聴いた、
「手と手」という曲。

マッシュウルフのような目が隠れる髪型に、
細いスキニーを履いて、
下駄で歌うボーカルがいて、
とても必死にもがいたような歌い方と、
耳に残る、クセのある声。

とても綺麗で芯のあるギターの音と、
踊りながら演奏して安定するベースの音、
ハードパーマな見た目なのに落ち着いていて冷静なドラムに
夢中になっていて、

こんなにも不安定な音楽があっていいんだ…と思った。

今すぐにでも壊れてしまいそうな、
ギリギリの場所で演奏している気がして、
みんな個性的だし、
それぞれプロ意識を持ちながら、
全力で音楽をやっているボーカルの尾崎世界観についていっている感じがした。

なんか救ってあげたくて、
むしろ私が救われているのに。

すごく尖っていて、
「俺なんか、だめだ」と言いながら、
バンド界に牙を剥いている感じがして、かっこよかった。

何よりやっぱり、尾崎さんが書く歌詞が好きで、たまらなくて。

尾崎さんって、いろんなことにすごく悩んでいる。

多分誰よりも、繊細で、敏感で、
才能もあって、音楽も上手で、
でも不器用で。

こんなにも売れているし、認められているのに、
ずっと悩んでいる。
現実に満足していない。
でもその姿が好きで。ついていきたくなる。

尾崎さんの書く歌詞に、何度救われただろう。
辛い時に、
「クリープハイプ」のライブがあるから、頑張ろう！って
何度思っただろう。

それくらいの精神安定剤で。

この10年間、いろんなことがあった。

雑誌の小さな記事だった、クリープハイプはどんどん大きくなって、
CMの曲をやったり、映画の主題歌になったり、
武道館でライブをしたり、大きな東京のフェスで入場規制になったり、
小説家になったり、芥川賞の候補作になったり、

すっごく大きくなったなぁ。

って思う。

そんな中、私は挫折ばっかりして、
どんどん小さくなっていく…（って私の話はなんでもいいや笑）
ビックになれよ、私。
（高校時代に、卒業文集に「ビックになる！」と書いたことは、もう、忘れたや、）

ライブハウスの整理番号が、10番だったこと、
最前列でライブを見れたこと、
手が届きそうな位置にメンバーがいたこと、
朝が苦手な私が友達を叩き起こして、
東京の大きなフェスで、朝一のクリープハイプの出番を待ったこと。
CDをフラゲしにタワレコに通ったこと。
尾崎さんのラジオを聴きに、
学校帰りに電車に乗ったこと。

きっと、ずっとずっと忘れないし、
忘れたくない、なぁ。

いつまでもどんどん大きくなってほしい。


クリープハイプ。もう本当に大好きで、仕方ないんだよ。
もう絶対、嫌いになんてなれないでしょう。
これからも一緒に生きていけたら嬉しいです

そして、私は、挫折ばっかしてないで、
ビックになれるように、頑張りなさい。笑