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泣きたくなるほど、嬉しい日々に。
泣きたくなるほど、嬉しい日々に。
というクリープハイプのアルバムを聞いた。
このアルバムを開くのは
本当に久しぶり。
当時、円盤でゲットして、
そっと車の再生機に入れた瞬間。
「今今ここに君とあたし」がスピードを上げて、私の脳内を走り回った記憶がある。
新しい生活を始めるかもしれない。
新しい場所に引っ越して、
今までの経験も友達も全部切り離して、
新しいスタートを切ろうと考えていた時期だった。
尾崎世界観の、なだめるような優しい声と、変わらないクリープハイプの演奏が私にとって、ずっと変わらない安心だった。
新しくなる私に、
ずっと変わらないでいてくれる音楽がある。
お願いだから、ずっと変わらないでいて。
変わらないでいてくれるから、安心出来る。
こんな、わがままを許して欲しい。
「今今ここに君とあたし」で、
変な声だと村人から石を投げられて
泣いていたバンドを救ったのは
変な感性を持った変な村人だった。
という歌詞から、
「変な村人ってわあんただと思ったよ、」
って言ってくれたあの子は
少し変わってしまった。
でも、今も幸せに暮らしているらしい。
CDが擦り切れるほどに、再生して、自分のヨダレが染み付いたシーツの上で、何度も歌詞カードを開いた。
「泣きたくなるほど嬉しい日々に
答えはないけど手を上げてよ
恥ずかしい今も抱き寄せて
間違っても笑ってよ」
泣きたくなるほど嬉しい日が
私にも来るだろうか。
90%の不安と10%の期待を持って、
私は新しい町にでた。
新しい町で私は何かできただろうか?
結果、あまり上手くいっていない。
上手くいっていない気がする。
でも、負けたくないんだ、どうしよう。
年末に久しぶりに見た尾崎世界観が、相変わらず俯いていて、変わらないでくれていて嬉しかった。鳴っている音楽も、話している言葉も、ギターをかかげる手も、変わっていなかった。
「セックスしようって、叫べますか?」
って銀歯を見せながら笑っていた。
変わってしまったのは、私かもしれない。
きっとこれからも、
私はこの曲を聴くと思い出す。
生きることはしんどいし、上手くいかないことなんて、腐るほどあるけど、負けたくない。
だって、わたしも、あんたも
頑張ってるんだから。
わたし、これからまた
耳が擦り切れるくらい、
この歌を聴こうと思う。
「間違っても笑ってよ
全部を好きでいてあげる」
人間くさくいてくれて、ありがとう。
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