6歳の子供に説明できなければ、理解したとはいえない#3
中学校の算数(数学)の教科書の内容をみて唖然とした。これでは、ほとんど誰も算数をキライになってしまうではないか。いちおう、教員免許(中学・高校理科専修免許)を持っている身としては痛い(免許更新していないからもはや無効なのかも)。
子どもたちの中には、計算より図形のほうが好きな子がいるかもしれない。ここでは、三角形の内角の和が180°、ということを感じてほしいので説明したい。その前に、1つだけ知っていないとこの先、わからなくなることがある。直角(表題の四角形の隅に描いた部分)が90°ということだけ。これはいわゆる、「定義」という概念なのでなぜ60とか120とか100ではないのか?といわれても、それ自体は説明できない(ぐるっと一周が360°という意味は他のサイトで検索してください)。
まず、表題の図から。上の図では、四角形が書いてある。その4つの隅には「直角(90°)」が書かれている。なので、全部足すと360°になる(つまり、四角形の内角の和は360°ということ、内角とは図形の角の隅の角度のこと)。この四角形をななめに切る(下の図)。ただ切っただけなので、四角形としてみると、内角の和はそのまま360°。その四角形は2つの三角形からできている。2つの三角形の内角の和が360°、といっていることと同じ。2つで360なのだから1つなら180°、ということになる。よって、「三角形の内角の和は180°」がわかる。
別の見かたで考えてみる。以下の図をみてみよう。
(1)は、うえにながーい、三角形を描いた。下の線の部分を固定して、両端にゴムをつけて上にどんどん伸ばすことを考える。どんどん、うえにのばす、そう無限大までのばせるとしてみる。すると、下に直角を2つ描いたがその直角にどんどん近づいていく。無限にのばすと、内角の和は、限りなく直角2つを足したものに近づく。直角が2つなので180°だ。
(2)の例では、逆にぺたんとした三角形を描いた。これも、どんどん押しつぶしていくと、両端の角度はゼロに近づき、上のとがった部分はとんがりがどんどんなくなり、しまいにはぺたんと直線に限りなく近づく。直線は2つの直角でかける。直角が2つなので180°だ。
(3)の例は、円の一周が360°、ということを示している。一番、左はただの四角形。その角をどんどんけずっていき、円に近づける。円になっても、真ん中部分のところはなにもいじっていないので、直角が4つのまま。直角が4つなので360°、ということになる(これは内角とはいわないが)。
ちなみに、オリンピックでスケボーの技がいろいろあったが、その中で「540」と名前がついている技がある。これは角度の意味で540のこと。つまり、一回転半まわる、360+180=540という意味だ。
算数を知れば、スポーツなどいろいろなジャンルを知ることになり、楽しくないだろうか。何度もいうようだが、計算しようとしたり、無理やり覚えようとしないこと。ただ1つだけ「直角は90°だ」だけ実感しておいて、あとはそれを並べたり、数を数えたりするだけ、それだけで十分。
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