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ちぐはぐな会話#4

「ちぐはぐ」ときくと、星新一を思い出すあなたは大ファンなのだろう。「ちぐはぐな部品」とか。このショートショートの中身は全然違うのだが。どちらかというと、阿刀田高のブラックジョーク大全に近い。

グローバルと宇宙

「グローバルな視点で考えるのが重要なのか~」
「一番グローバルというか大きいのは宇宙だよな。宇宙レベルで考えればいいということか。」
「まあそうかもな。」
「でも、今の宇宙論ってそこらのホコリよりちっちゃなスケールの研究ばかりしてるよ。プランク長とか”無”から始まったとか。大きい小さいを超越して、なにもなくなってしまった。」
「・・・」

台風の速度

「よく台風の速度でゆっくりした動きのとき、自転車並み、とかいうけど。」
「まあそうだね」
「プロの人って、70km/hとかでるんだよ。ものすごい速いんだけど。」
「・・・」


合成数

「数って素数があれば他は素数から作れるよね」
「まあ」
「6は2×3だし、15は3×5だし。他の数はいらないんじゃないの」
「0は素数から作れないよ」

マイナスかけるマイナスがプラス

「なあ、マイナスにマイナスをかけるとなんでプラスになるんだろ」
「じゃあ、まず、マイナスかけるプラス、-2×2を考えてみよう」
「うんうん」
「車を運転してるとする。マイナスなのでバックにギアを入れる。そのまま2秒バックし続ければ後ろにマイナス4バックした、つまり答えは-4ということ。」
「うんうん」
「マイナスにマイナスというのは、バックギアに入れて、バックと逆方向に2秒進むということだ。バックと逆方向、つまり、もといた状態からみると前向きに”バックギア”で進むということ。前向きに進んだので-2×-2は4ということ」
「なんかダマされてるような・・・」

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宇宙の存在

「量子力学にとっては、観測して初めて実在していることになるんだろ」
「まあそうらしいね」
「でも、ちょっとおかしくないか?100億光年前に人間なんて存在してないのに、その光は届いてくるよね。人間がいてもいなくても宇宙は100億年前に”実在”していた証拠じゃないの」
「うーん。でも結局は、観測がすべてなのかも。キミが死んでしまえば、キミにとっての宇宙は実在するかどうかわからなくなる。今、生きている人間全部が死んじゃえば同じで、宇宙が実在しているかわからなくなる。”宇宙が実在しているよ”って言える相手もいないし、しゃべれる人間もいない。100億年前の光だって、地球に人間がいて、それを観測できる装置があってやっと認識できているのであって、クロマニヨン人が”宇宙は実在している”とおもっていたかどうかなんてわかんないよ」
※ショウペンハウアー:世界は私の表象である。

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