雨季の夕方。バンコクではお決まりの土砂降りが家路を急ぐサラリーマンを襲う。自嘲気味にタイ人の友人が言っていた。

「タイ人の嫁の機嫌はタイの天気に良く似ている」つまり普段は空気がドリアンのように甘ったるく重苦しいが、一旦怒ったら(一旦雨が降ったら)激しいと言う意味らしい・・・。

 雨あがりのバンコクは、とても空気が澄んでいて気持ちが良い。雨は空気中に漂うごみや排気ガスを流してくれる。マンションの網戸や床にぬめっとへばり付くあの黒いすすの事だ。これを毎日吸っているのかと思うとぞっとする。

 中途半端な雨は最悪だ。例えば朝方少量の雨が降るとしよう。その雨は徐々に強くなる日差しにより蒸発し、もやっとした身体にまとわりつくような湿気に換わる。そして日中、強い日差しと湿気が私たちを襲うのである。これは辛い・・・。

 2006年のクーデター。その後に起きた市民デモの記憶は新しい。軍事政権に対して講義の怒号を上げる市民。これは流血が避けられないなあ・・・と。その晩は大雨が降り、そしていつの間にか抗議の市民の数も減り、最悪の事態を免れた。雨のおかげか・・・・・・。

 最近の日本の雨の降り方が異常だと聞く。局所的に激しい雨が降り、交通機能や都市機能が麻痺する事が多い。「年々雨の降り方が途上国のスコールに近くなっている」と知人が言っていたが、温暖化の影響であろうか。

 長雨になると夫婦喧嘩がおきやすいとTVで言っていたが、人間のご機嫌は天気に左右されるらしい。異常気象のせいで喧嘩が増えるなら温暖化対策も真剣に考えないと!

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