平山ドルジ
タイでの駐在員生活の職場や生活の日常を面白おかしく短いコラムにまとめました。この内容は2010~2014年ごろのタイ、主にバンコクでの出来事を題材にしています。当時、バンコクのフリーペーパー「DACO」に隔週で掲載されていたものを少し加筆修正しています。
「はい、これ日本のお土産」と女子社員から貰ったはいいが・・・これ何だろう。中学生の頃に使っていた靴下のズレ止め接着剤(ソックタッチと言う名称だったような)に似ているが・・・。小瓶に液が入っており、ローラーのようなものが蓋代わりに付いている。 「これ何に使うの・・・」妄想に耽るオヤジに一言「知らないの?これ、今はやりの加齢臭を押さえる薬よ。必要でしょ」と言い切る女子社員。それが何だか知らなかったショックよりも、加齢臭対策が必要でしょ・・・と言い切られた事がショックだ。 加
タイ・バンコクはTPOや財布の中身にあわせて様々な種類の飲食店やショップがあり、選ぶ側としては戸惑う事も多い。その反面、専門店は少なく、必要な機材や資材を買うのはタイ人でも難しいと聞く。 タイは選択の社会だという。選択肢が多い分迷うが、必ず良い選択肢はあるという考え方だ。つまり悪い選択肢は切り捨てるか、無視をする。一期一会という言葉があるが、まさにタイでの買い物も然り、今あるその商品が継続的にそこで購入できるとは限らないのである。 「これ賞味期限切れているけど大丈夫かな
オヤジ(私)はカラオケが大好きである。しかし怪しいお姉さんがいるタニヤに夜な夜な通っている訳ではなく、純粋に歌を歌うことが好きなのである。タイの歌も嫌いではないのだが、やはり日本の歌を好んで聴いている。 いつからだろう、日本人が世代を超えて話題に出来る歌が無くなったのは。オヤジの子供の頃は歌謡曲全盛期、多くの歌は親子で一緒に楽しんでいた。時代を代表する歌が確実に存在していた時代でもあった。今の家族ではありえない風景であろう。 歌は歌うものであるのと同時に聴くものである。
「貴方の出身地はどこですか?」初対面の人に話しかける常套句がこれである。しかし筆者はこのように話かけられると戸惑ってしまう。親の仕事の都合で住居を転々とした為、どこが自分の出身地か判らないのである。 でも黙ってしまっては相手に失礼なので、「関西出身です」と胸を張って答えるようにしている。確かに私の母語は関西弁(京都に近い)であり、いつも頭の中では関西弁で物事を考えている。それが自分にとって自然である。 タイのバンコクは関西圏に雰囲気が似ていると筆者は勝手に思っている。特に
唐突だが【微笑の国タイ】というキャッチフレーズは好みではない。何故なら町中に笑顔が溢れて…と言うイメージはタイ駐在生活数年間でもろくも崩れ去ったからだ。確かに日本と較べると笑顔は見かけるが…何かが違う。 少なくともうちの職場は笑顔で溢れてはいない。まあ理由も無いのにニコニコしている方が変だが、逆にしかめっ面で眉間にしわを寄せて【話しかけるなオーラ】を出している人も多い。でも上司を見かけると【しっぽふりふりワンワン状態】にモードが切り替わる。見事である。 会議中など顔は笑
病院 初めてバンコクの病院に行ったのは風邪を引いた時だった。上質なホテルのようなロビー、館内に在るファストフード店、診察室までの道案内、広々とした通路、どれをとっても「日本じゃありえない!」と驚きの連続だった。 タイの一部の私立病院では非常に良質の医療を受けることが出来る。しかしその恩恵を享受できる人はごく一部の金持ち。公立病院はどこも押すな押すなの人だかり。タイも日本と同じく病院に行くのは体力の必要な大仕事なのである。 所変わって、金持ち国ブルネイ王国。ここでは
雨 雨季の夕方。バンコクではお決まりの土砂降りが家路を急ぐサラリーマンを襲う。自嘲気味にタイ人の友人が言っていた。 「タイ人の嫁の機嫌はタイの天気に良く似ている」つまり普段は空気がドリアンのように甘ったるく重苦しいが、一旦怒ったら(一旦雨が降ったら)激しいと言う意味らしい・・・。 雨あがりのバンコクは、とても空気が澄んでいて気持ちが良い。雨は空気中に漂うごみや排気ガスを流してくれる。マンションの網戸や床にぬめっとへばり付くあの黒いすすの事だ。これを毎日吸っているのか
コイン 財布の中のコインは実に邪魔ものだ。入れすぎると財布はパンパンに膨れ上がる。しかも必要なときに必要な枚数を取り出すことは難しい代物だ。友人は、「コインなんて、チップチップ。僕は札以外のおつりは取らないよ」確かに札は薄くて便利であるが、お札はただの印刷された紙である。札を発行する国の状態でその札の価値が決まる。 タイの貨幣単位はバーツ、昔の1バーツ銀貨一枚の重さ(約15.2g)をバーツと呼び、今でも金の重さを量る単位になっている。【1バーツ=3000B】と言う表示を
タイ人はタクシーが好きだ。近距離でもどこでも直ぐタクシーを止める。タクシー料金が安いせいもあるが皆さん歩くのが本当に嫌いである。 先日の昼休み、同僚とタクシーに乗車。「何処まで連れて行かれるんだろう。。」と少々不安に思うまもなく、即停車。歩いた方が早い!と思うような距離でも「汗をかくとみっともないだろう?」とタクシーに乗る。 歩かない人が太るのは当たり前である。朝から砂糖のタップリ入ったアイスミルクティーを飲んでいる女子学生などは確実に肥満予備軍。しかも歩くのが嫌い、