贈り物のはなし

手紙や宅配便を誰かに送ることが、近年ほとんどなかった。めんどくさがりの自分は、仕事か、重要な書類か、その他よっぽどのことがないと、なかなか物を送らない、送れない。徒歩数分の所にあるコンビニや郵便局に行くのも、すごく足が重い。なんなら少し勇気がいる。受け取り損ねた荷物を取りに郵便局に行く時だってドキドキする。近年電子化も進む一方で、余計にそんな機会は減っていた。

何か送ることもないから、何か送られてくることもない。家に届くものといえば、amazonの宅配と親からの手紙くらいで、今後も増えることはないだろう。LINE、メール、電子ギフト。スマホやパソコンで、本当になんでも送ることができる便利な時代になった。時代はどんどん進化していく。

けれど最近、オンラインパペット劇「プレゼンツ!!」の準備のために、ものを送る機会があった。
公演のための準備なので「贈り物」とは違うのだけれど、伝票を書いて、お届け物に貼って、窓口に持っていく。私にとっては少し、新鮮な時間だった。

私は普段、基本的にPCに向かってお仕事をしてる。もちろん仕事のチームメンバーとコミュニケーションは取るし、出社してた時はイメージ共有の為に、ホワイトボードやノートを使うこともあった。けれど、1月からまた在宅勤務になったので、文字を書くのは本当に、スケジュール帳にメモする時(ここはアナログ派)くらいだった。また、小学生の時に友達に「文字下手だね」って言われてから、文字下手というコンプレックスがある。(大学でもズバズバ言う友達に下手だねって言われたから下手だと思う。)なので、自分の文字を誰かに見られのは恥ずかしいなと思ってしまう。でも、12月の「プレゼンツ!」の公演も含め、久々に誰かの為に、下手な文字を書いて、送るものを家から運んで、ちゃんと届くか少しドキドキしながらお店の人に託す。ちゃんと届いたことがわかると、ほっとする。その一連の時間がなんだか愛おしかった。
12月は本当に大変で、仕事の現場が変わったり、準備もけっこうギリギリでこんな文を書く余裕もなかった。たまに、オンライン劇なのになんでこんなにアナログで大変になってるのだ。。と我に帰る瞬間もあった。でも、結果的に新しく面白いことが出来たと思うし、準備をしている時間は、誰かに何かを送る為の時間は、自分にとって豊かだと思える時間だった。

オンラインで人形劇をしたい!という、衝動から始まった今回の公演。振り返ってみると、色んな人にご迷惑をおかけしながらも、沢山の学びがあって、想像以上にいろんな人が関わってくださった。
「プレゼンツ!!」はみんなのやってみたい事、やってみたかった事、そしてみんなのチャレンジ精神も含めて、色んな人に届けたいという気持ちからできた作品だ(と思っている)。
もし「プレゼンツ!!」の事が気になった方は、詳しくはこのnoteTwitterInstagramをちょっと調べてみてくれると嬉しい。「#トモノモト 」「#札幌シェアター」「#サンタを街に連れてって」 で検索すると色々出てくる。札幌と東京で離れていても、勇気をもって少し踏み出すと、ここまでできるんだよってことが、色んな人に届いてくれると嬉しい。

この作品は、その名の通り、見てくれるあなたへの贈り物だ。どうかあなたのもとへ届きますように。
いよいよ明日が本番なのです。どうぞよろしくお願いします。

見てくれる人は、本当にありがとう。関わってくれた人、本当にありがとう。皆さんとても素敵な人たちばかりで、そしてやっぱり一度は会いたいから、いつか会えるその日まで、コツコツと生きていこう。

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PS.そうえば、美術館や展覧会のポストカードに、展示の感想を書いて誰かに送ってみたかったんだよなぁと、思い出しました。根がチキンなのと下手文字コンプレックスがあるので、自分から一方的に送るという事が出来ないのですが、もしそれでも送ってみてほしいという友人や知り合いがいたらご連絡ください。誰かの為に書くぞ!って思った方が、文章を書きやすい気がする。

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