「宇宙兄弟 今いる仲間でうまくいく チームの話」
外部スタッフとして参画しているスタートアップ企業のミーティングで、印象を求められたので「まだチームになっていない」と生意気なことを言ってしまった。それ以来「チームとは?」と問い続ける日々が続いてきた。そんなとき、書店で目に入ったのがこの本、長尾彰著,「宇宙兄弟 今いる仲間でうまくいく チームの話」,学研(2019年)である。ぱらぱらとめくって「なぜメンバーは自発的に動かないのか」という見出しが目に入っただけで購入を決めた。
本書を簡単に言うと、リーダのタイプを4種類、チームをライフサイクルとし4つのステージに分類し、それぞれに宇宙兄弟の登場人物や場面に当てはめて解説したものだ。宇宙兄弟を読んだことがある人には、具体性があって理解しやすくなると思う。
4つのリーダーのスタイル
・ファシリテーター型(プロセス志向×押す)
・マエストロ型(成果志向×押す)
・ティーチャー型(プロセス志向×引っ張る)
・コンサルタント型(成果志向×引っ張る)
「プロセス志向」-「成果志向」と「押す」-「引っ張る」のマトリクスになっている。自分はティーチャー型が強いようだ。
チームの発達段階
・第1ステージ フォーミング【形成期】
・第2ステージ ストーミング【試行錯誤期】
・第3ステージ ノーミング【規範期】
・第4ステージ トランスフォーミング【達成期】
寄せ集めのチームが最初のうちは遠慮しあっていたのが、自分の意見をぶつけ合うようになり、やがて、お互いのスタイルや考え方を理解し自発的に動くようになり、最後に最高の状態になるという感じだろうか。ラグビーワールドカップの日本代表はトランスフォーミングの状態だったのだなと思う。
チームとは
チームとは、メンバーがひとつの目標に向かって心をひとつにするものというイメージを持ってい。読んでみたところ、それは思い込みのワナ(第1章)だったようで、多様なメンバーがそれぞれの持ち味を活かせるようになるのがいいようだ。だから、チームとはこうあるべきというものではなく、「状態」なのかもしれない。
なぜメンバーは自発的に動かないのか
フォーミングやノーミングの時期は、自発的に動かないものなのだそうだ。なんと!回答はなかった。無理にさせようとしても人はそうなることはなく、これらの時期で終わってしまうプロジェクトも少なくなくないそうだ。それを理解した上で、じっくりやりましょうということと受け取った。
私が加わったプロジェクトは、ようやくノーミングの状態に入ったように思う。本書を読まなかったら、まだチームになりきれていないと間抜けなことを言っていたかもしれない。
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