微笑む
普段はふざけて
わたしを笑わせるのが
大好きなあの子
我がままを言ってみたり
ダメワードを耳元でささやいて
ぴょ~んと跳ねて逃げていったり
絶対に選べない2択問題を出したり
とにかく楽しく笑うことばかり
静かにさせておきたくなって
でも言うことをきかない時は
思いっきりくすぐって
追いかけ じゃれるのが日常で
試合のあと
全力で全てを出し切るあの子は
心も体も余力一つも残さないから
まるで別の人格のようになる
そんな時は
優しくゆっくり傍らにいて
静かに黙って背中をなでる
「いい試合だったね」
そのわたしの言葉に
頷くわけでなく
ただ一度ふわりと微笑む
楽しい時の笑顔も
面白くて笑う顔も
ちょっと照れてはにかむ笑顔も
どれも全部大好きだけど
ふんわりと穏やかに微笑む
あの子の笑顔は
わたしの胸に満ちて広がる
どんな楽しい思い出よりも
胸の中に温かく輝いてある