Goodpatch Anywhereの事業責任者になりました
「こんにちは、グッドパッチの小澤です。」
少し前に株式会社グッドパッチにGoodpatch Anywhereの事業責任者として入社し、最近はこの言葉をだいぶ自然に言えるようになりました。
もうほぼ完全にグッドパッチの人間になりつつあり、前職の感覚もかろうじて少し残っている今の自分を書き残そうと思い、noteを開きました。
※ちなみに冒頭の写真はちょうど一年前の夏、グッドパッチで開かれたイベントに登壇した時のもの。この時はまさか自分がグッドパッチのメンバーになるなんて想像もしていませんでした。(一番左が私です)
なぜグッドパッチへ
グッドパッチとMIMIGURI。
下記記事など交流機会もありメンバー同士にも接点は少なからずあるものの、文化的にはだいぶ差異がある2社。そんな2社間での転職に、転職を知った多くの方達から「なぜグッドパッチに?」という問いをいただきました。
今日はその問いに対する解を、自分自身の頭を整理するためにも言語化してみたいと思います。
キャリア変化の中で移り変わる、「デザイン」の対象
前職のMIMIGURIではCCOという役割を担い、「耕し責任者」として("Cultivating"は"耕す"の意です)、MIMIGURIの組織開発やナレッジマネジメントを管掌範囲としていました。
私のキャリアのスタートはグラフィックデザイナーで、Webデザイン、Webディレクション、UXリサーチを経て経営に関わるようになりましたが、そのような変化の中でも常にデザインという軸を中心に据えながら領域を広げてきました。
いずれも自身の意思で選び取ってきたものではありますが、デザイナーが提供できる価値を高めていくために、いろいろな求めに応じて領域を拡げていった結果でもあります。
グラフィックデザイナーからWebデザイナーへの拡張はインターネット普及の影響。Webディレクションをするようになったのはより顧客の声を直接受け止めたかったから。UXリサーチをするようになったのは顧客の向こうにいる利用者や生活者についてもっと知りたくなったから。経営に関わるようになったのは、自分だけの力だけではなくチームの力でより良い未来を目指す状態を作りたくなったから。
前職のCCOでは「組織」がデザインの対象だと考えていました。
少し抽象度が高い話になってしまうのですが、放っておいたら点在してしまう個人の探究や意志・情報・知識を公の場に開き、結び合わせ、事業とのアライメントを取りながら企業から社会に向けて価値創出する組織をつくる「デザイン」。
そう捉えていました。
ふと我に返る
でもね、ちょっと広がり過ぎたんです。
欲求のままに自分のデザインの対象を広げていった結果、ふと「あれ、これってデザインなんだっけ?どの辺がデザイン?デザインの価値を出せているの?」と我に返る瞬間がたびたび訪れるようになりました。
日々向き合っている事柄は魅力的で、顧客に価値も提供できている、学びがそこらじゅうに溢れている環境。そんな中でデザインにこだわる理由があるのか。
今さらデザイナーだと名乗る必要があるのか。
名称にこだわるなんて、くだらないことじゃないのか。
こんなことを考えている自分は過去の成功体験や経験をアンラーニングできていないのではないか。
ここ数年は何度も何度もそんなことを考えては打ち消す、葛藤の日々を過ごしていました。
MIMIGURIは温かさと聡明さが溢れるメンバーが集まっていて、皆と仕事をしている毎日は本当に刺激ばかりで楽しかったです。だからこそ自分のこのもやもやした思いが身勝手で幼いものに思えて仕方なく、なかなか決断ができませんでした。
デザインと自分の関わりを見つめ直したくなった
改めてはじめの問いに戻ります。
なぜグッドパッチに転職したのか。
それは、自分とデザインの関わりを考え直したくなったから。
今思えば、転職のきっかけはこの記事を書いたことかもしれません。
拙い内容ですが、組織学習というテーマについて「デザイナーならではの向き合い方」を書いてみたものです。
これを書いて感じたのは、拙なかろうが、アンラーニングできていなかろうが、もっと直接的にデザインに向き合いたいと渇望している自分がここにいるという事実でした。
拡張し、混ざりあう中で、どうやって自身を「デザイナーである」と認識するか
今年のDesignshipのテーマにも「広がりすぎたデザインを接続する」というワードが含まれていますが、今やデザインに期待される役割やデザイナーが発揮できる価値はもはや限りなく広がっていると私も感じています。
多くの人がデザインに関わり、多様な解釈が生まれ、デザインの影響力が拡がっている証拠で必然の流れだと認識しています。
そのような世界にあっては、かなり広い対象を「デザイン」として解釈することが可能なので、結局は各人が自分に対して「どう認知・認識するのか」でしかないと感じています。
私の場合は何か物事を考え進めていく上でデザインプロセスを用いることもあれば、事業数値を見る際などは極めてMBA的な思考を取ることもあり、その両者を適宜用いることに全く違和感がありません。
そのため、恐らく私は"how"としてのデザインにはさほどこだわりがなく、「自分達が価値を届けているこれは何か?」と問われた時に、あくまで私自身は"What"として「デザインです」と答えたいのだろうと思っています。
グッドパッチとの縁を得たのは、自分の中でそのような整理がついて「デザインを事業にしている会社に行こう」と思った矢先でした。
なぜGoodpatch Anywhere、なぜ事業責任者
Goodpatch Anywhereは居住地・所属企業・団体の垣根を超えたデザイン人材組織で、柔軟な契約形態であるために一企業では採用が難しいような、高いスキル・ユニークな経験を持ったメンバーが600名程集まり、グッドパッチのブランドの元、クライアントに対して広くデザインワークを行なっています。
デザインの領域も解釈も広がる今、本業ではデザイナーという肩書きではない人でも、副業としてデザイン価値を発揮するという選択も全くもってあり得ますし、Goodpatch Anywhereはそれを可能にする仕組みだと私は考えています。
また、Anywhereはデザイナーの働き方や住む場所に対する選択肢を提供でき、所属組織を横断した協働を通じて実践的に学ぶ機会を得られる場ともなっています。
さらに今後はデザイナーの地域実践をよりバックアップしていきたいとも考えており、デザイナーのウェルビーイングを高める組織にもなれると考えています。
そしてこのような仕組みが事業として成り立ち、多くの人がデザインに関わり社会に価値を届ける仕組みを作ってけるならば、こんなに自分に合った仕事はないなとも感じています。
そして改めて。
短い期間の在籍になってしまいましたが、安斎さん、ミナベさんはじめ、私と一緒に過ごしてくれたMIMIGURIの皆さんには本当に感謝しています。
退職後も何人か私の住む大阪に遊びにきてくれて、改めていろいろな話をする中でMIMIGURIという組織が持つ温かさと、個人に対して関心を向け合う文化にリスペクトを感じています。
さて、ここまで長い文章にお付き合いいただいて本当にありがとうございます。
最後に、お決まりの宣伝を☺️
グッドパッチならびにGoodpatch Anywhereでは一緒にデザインに向き合う仲間を探しています。
少しでも気になった方、ぜひ一度お話ししましょう!
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