としのはなれた友だち 2
としのはなれた友だちは、今のところスパイダーマンが好きだ。
故に、非常にテレビとの距離が近いときがある。もはや画面にくっついてしまうのではないか……というくらいのところまできているときすらある。
それとなく「テレビから離れて見てね」と声をかけるが、気付くとまた近づいている。夢中な証拠だ。
としのはなれた友だちが家の中で蜘蛛を見かけたときに「わあ!!!!くも!!!」と一瞬引いていた。彼は虫が苦手だ。
しかし次の瞬間、スパイダーマンの序盤のシーンを思い出したのか「あっ、これ蜘蛛じゃん。蜘蛛は友だちだよね」と言い、冷静にその場からスッと立ち去った。
映画ってすごい。苦手なものをそうでもないものとしてしまう。
苦手だなと思っていたものでも、それに対してプラスの感情を抱けるようになれば、案外克服の糸口が掴めるのかもしれない。例えば、苦手だなと思っている会社の人のいいところを、ちょっとでもいいから考えてみるとか。
友だちのように素直な心で、毎日を過ごしていきたい……そう思った。彼から学べることがこれからたくさんあるはずだ。未来は明るい。