『不滅のあなたへ』感想
※ネタバレはなるべくしないように書きましたが、微妙かもです。
アニメのCMをみて面白そうだなと思ったのが第一印象。
“それ”は、一定の条件を満たした他者(物体や動物)の姿形や能力を自分のものにできる何か。
最初は文字通り手のひら大の「球」で、意識も思考もなかったんだけど、いくつかの無機物や有機物、そして動物を経て、やがて人間の姿を手に入れる。
ただし言葉を知らないので喋れないし、二足歩行もおぼつかない。
もうこの設定ですでにワクワクするもんな。
さっきまで動物としてもおぼつかなかった生き物が、人間のからだと脳みそを手に入れて、どうするのか。どうなるのか。
意識や感情や思考をどう飼い慣らし、言語や立ち居振る舞いをどう学んでいくのか。
ワクワクしながらアニメ見たら、期待通りだった。
世界観や時代背景もしばらくわからないんだよね。
物語は雪原にある小さな集落から始まるんだけど、そこには人間が1人しかいない。
360度地平線まで雪しかない、真っ白な世界。
下手したらこれ、この星に人類も動物も植物もいなくて、一面雪で覆われている可能性あるのかなとか。
そして宇多田ヒカルの挿入歌。いとエモし。
アニメ放送が終わって、続きが気になりすぎたのでコミックスを購入。
ごく冒頭の、人間の姿をした動物状態だった時の面白さと、だんだんと人間らしくなってからの面白さは結構別ものだと思う。
そしてそのあとさらに、なんかまた別ものになっていく。
どれくらい別ものかっていうと、ジャンル変わってない?というかもはや別作品?ってくらいなんだけど、一貫性がない訳ではないと思う。
事実はわからないけど、最終話まである程度決まった状態で描き始めたタイプの話に見える。
逆にそうじゃないとこんだけ大きく転換できないんじゃないかと。
まだ最後まで行きついてないからわからないけど、きっとテーマみたいなものはシンプルだしずっと一貫してる。はず。
登場人物のキャラクターも個性的だし、悪役の不気味さもいい感じ。割と容赦なく嫌悪感掻き立ててくるぞ。
世界観とか設定を予測しながら観るのも楽しい。
独特な世界設定ありきで、思考実験みたいに物語が広がっていくの好き。
最近読んだのだと、呪術廻戦もその気配がちょっとある。
こういう世界でこういう状況で、こういう性格と能力のキャラクターだったらどうなるかなって、実際に作者の人がどうやって作ってるかは知らんけども。
自分でも、道具のいらない遊びとしてやりたいなと思うんだけど、めちゃくちゃ脳みそ使うし集中力いるから、やる前から疲れちゃうんだなぁ……。
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