10年変革シナリオ/杉田浩章/★★★★☆
BCGの元日本代表の杉田さんの著書。コンサルの方が書く、のこの手の本は基本的にあまり好きではないのですが(笑)、この本は良かったです。15年、自分の人生を振り回し(何度、部署異動をしたか、、笑)、そして自分の可能性を引き出してくれたリクルートという会社を、まな板の上にのせて上手にさばいてくれています。社内従業員×現場組織長からの自分のメガネと、社外×経営から見るメガネで、捉え方が違い、非常に興味深い。ユニ・チャーム、ソニー、富士フィルムなどの事例も、10年前くらいのことだからこそ明らかに出来ることがふんだんに取り入れており、クイズの答え合わせを10年ぶりにさせてもらっている感じで、とても晴れやかな気持ちになると同時に、危機感も感じさせてくれました。
▼おすすめのヒト
・40-50歳くらいのビジネスパーソン
・変革を目指す方
▼印象的なコト
・市場再定義する際にヒントとなる切り口。遅れてくる国/業界/セグメント/テクノロジー
・リクルートという企業を見て感じるのは、危機感の醸成や、リスクのマネージだけでは将来は創れないということである。リスクをとっても将来に何かを残したいという強烈な意思が経営層にある。
・スタディサプリは「オンライン予備校」から「スマホ動画コンテンツ」への発想転換
・ユニ・チャームはローエンドで参入した市場規模が08→20年で大きくなること、この独自の市場の見立てについては、経営陣の中でもそのリアリティについて疑う声や大きな議論があったという。
・ユニ・チャームが中国市場を立て直した面々が重視したのが、現地に徹底的に入り込むこと。BCGが「ライオン・イン・ザ・ワイルド」と現代要る。動物園で飼われているライオンを眺めるのではなく、野生のライオンを徹底的に観察しなければ、ライオンの実態は理解できない。
・パーパスとビジョンは、時間軸が異なる。パーパスは時間がたっても変わらない一方、ビジョンは3-5年後のありたい姿を示したもので、経営者によって変わっていもの。
・「YAMATO NEXT100」に向けた経営構造改革の策定を、リーダーシップチームと一緒に策定。一つ目のポイントは、「短中期戦略」「中長期戦略」「インフラ戦略」の3カテゴリでアジェンダを洗い出し、2か月間の集中討議を経て一気にセットした。二つ目のポイントは、「戦時」における全社経営構造改革の推進体制を組成した。
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