「文具」を買っただけで涙が止まらなかった話。

さて、今日は妻の話です。

昨日、久しぶりに名古屋に出ました。


目的は「東急ハンズで買い物をすること」です。


さらに詳しく言うと、


「10000円分の文具を買うこと」


でした。

1万円って、車だったら安いですけど、

通常の文具で買うとかなりの量になります。


今回はそんな試みをしてみよう、と。



妻は小さいころから貧乏で育ちました。

DV系のお父さんは家にお金を入れないので、

小学生のときはリコーダーなどの学用品も

買ってもらえずお兄ちゃんと使い回しだったそうです。

しかし小学生ですから、男子から

「不潔~!」

なんて、いじめられたりするわけです。


なので、もちろん「可愛い文具」なって買ってもらえません。


必要なモノでさえ買ってもらえないのに

「不要不急なもの」

など買ってもらえるわけがないのです。


やがて幼かった妻は、だんだんと自分の価値を下げていきました。


「私は欲しいものを買ってはいけない」

「どうせほしいものは手に入らない」

「願ってもムダ。言ってもムダ」


そういう世界観の中に入っていってしまったのです。

そこからン十年の時が過ぎ。


妻はぼくといっしょに過ごすなかで、

たくさんの「メンタルブロック」を外してきました。

統合言語コーチングで言う「心身の抵抗」ですね。


それを「具体的アクション」によって、解消してきたのです。


今回は、それの「大仕上げ」みたいな試みでした。

これまでに

「可愛い服を着る」とか「可愛いアクセサリーをつける」とか

「ひとりで旅行する」とかいろんなチャレンジをしてきた妻ですが、


今回は「文具を思いっきり買う」でした。


その金額が「10000円」だったわけです。

昨日、ぼくが1万円札を渡すと、妻は


「買いたくて買いたくて震える」 
  
と西野カナみたいなことを言ったとか言わないとか。

いずれにせよ、明らかに「抵抗」が発言していました。


しかし、ここはチャレンジです。


ぼくは家電と本を見に、その場を後にしました。


それから60分ほどして、なんとか買い物を終えました。

妻の手には1万円分の文具。


嬉しいというよりは、頭が真っ白という雰囲気の妻でした。

家に帰り、ぼくのバッグにしまっていた文具を出して

妻に渡しました。

すると緊張の糸がプツンと切れたのか、

妻はワーワーと泣き崩れました。

相当な「抵抗」があったんでしょう。


これはメルマガ読者さんには分からない感覚かもしれません。


「たしかに1万円ぶんの文具って多いけど、泣くこと?」


「文具を買うだけで抵抗?意味わからなくない?」


そんなふうに思う方もいるかもしれません。

しかし「抵抗」というのは、本当に人それぞれ。


誰かにとっては「他愛のないこと」であっても、


当人にとっては


「死ぬほど怖いこと」


というのがよくあるのです。

だから抵抗をけっしてバカにしてはいけない。


当人にとっては「大問題」なのです。

そして妻にとっては

「じぶんが心から欲しいと思う文具を買うこと」

「我慢しないで欲しいモノを手に入れること」

「無駄にしてしまうリスクを背負うこと」


「死ぬほど怖いこと」


だったのです。

それは心の中の「小さな妻」が叫ぶからです。


「ダメだよ!欲しいなんて言っても傷つくだけ」

「どうせ買ってもらえないよ」

「ムダ!と一蹴されるだけ。また悲しい気分になるよ!」

そうやって抵抗しているのです。


それは「幼い妻」の切なる声なのです。


「じぶんに嘘をつかないで生きる」


というのは、この「抵抗している子ども」が


「素直になる」ということです。



「本当は欲しかったんだよ~」

「我慢させられて、悲しくて悔しかったよ~」


その気持ちを、もう一度出し、そして癒すということ。

「ダメだよ!欲しいなんて言っても傷つくだけ」

「どうせ買ってもらえないよ」

「ムダ!と一蹴されるだけ。また悲しい気分になるよ!」


これは「防衛」なのです。


「本音」ではないのです。



その「本音」を認めると、また一歩生きるのが軽くなります。


「抱えているもの」がひとつ減るからです。

それでも「現状維持機能(ホメオスタシス)」は強烈ですからね。

妻は今日になって改めて


「ムダな買い物だったんじゃないか…」 

 
というフレーズをつぶやいていました。

そこで、ムダではないどころか、

素晴らしいチャレンジだったことを伝えると、

ようやくホッとした様子でした。


そして「好きなものを買ってもいいんだ」という

テーゼが徐々に心に浸透していったようでした。

このように誰の心にも「抵抗」があります。


それも「その人にしか分からない」ブロックも多い。


すると

「誰にも話せない」

「こんな思いを持ったら恥ずかしいんじゃないか」 
 
「大人なのに、こんなことを思うのはおかしいんじゃないか」 
 
とじぶんを責めてしまうこともあります。

けれどもあなたは、けっしておかしくはありません。


それは、ただただ小さいころに抑圧されてしまっただけなんです。

ですから、どんな思いが心の内にあろうとも

どうか否定しないで、その「声」をよく聴いてあげてください。

悲しかった。


寂しかった。


悔しかった。

「小さな自分」の思いを汲んであげるとき、

また新しいあなたが顔を出します。

でももし、


「あまりに自分を抑えつけてしまって、もはや本音が分からない」


のなら、これらの動画も観てみてくださいね

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