春が来た
今年もこの季節がやって来ました。
春です。
私の一番好きな季節。
自分の誕生月が四月ということもあり、
運命を感じています。
春と言えば桜ですよね。
桜の花はとにかく見頃が短く、
はかないながらも力強く咲き誇る。
むしろ、はかないからこそ力強く咲くの
だろうと思います。
そして、豪快に散りゆく。
なんて美しいんでしょう。
まるで映画の主人公のようです。
風に吹かれ舞い上がる花びら、その光景に
毎年のように感嘆してしまいます。
私が住む古殿町は、町内に流れる川沿いに
約七キロにわたって、約千五百本の桜の木が
あります。
例年、見頃は四月中旬です。
桜の種類ごとに若干開花時期が異なるため、
比較的長い期間楽しめます。
さらに、県天然記念物にも指定されており、
アマチュアカメラマンが選ぶ
『 福島県内一本桜番付』で横綱に昇進した
『越代(こしだい)のサクラ』という
ヤマザクラがあります。
樹齢四百年を超え、高さ二十メートル、
幹周り七メートルという巨大なサクラです。
開花は四月下旬から五月上旬。
開花の遅さは県内でもトップクラスです。
そのため、他の桜を見終えた後に楽しめる
スポットでもあります。
サクラの木はもとより、そこの敷地を彩る
花壇も見ごたえがあります。
地元の人々に愛され、すべてが丁寧に管理
されているので、ひと際輝いて見えます。
青空をバックに映る巨木のサクラと花壇に
咲き誇る花のコラボレーションは圧巻です。
桜巡りの締めにぜひお越しになって
ください。
私が春を好きな理由は他にもあります。
農家という職業柄、厳しい冬を乗り越えた
さまざまな植物の芽吹きに立ち会える
ワクワク感があるのと同時に、柔らかい土の
香りで癒しを得て幸せを感じるのです。
農作物が成長するタイミングは毎年同じようにとはいかず、試行錯誤の連続。
自然との闘いですが、それもまた農業の魅力
と最近は思えるようになりました。
春はそのスタートでもあります。
植物に振り回されず、いかに自分の理想の
過程に持ち込むか。闘いは始まっています。
私の民報サロン掲載は本日が最後です。
結びとしておざわふぁ~むの紹介をさせて
ください。
私どもがメインで育てている農作物は
『米』です。
自ら育てたそのお米を活用したお餅や
おこわ、おにぎり、凍み餅などの加工も
行っています。
加工を手掛けるのは元気いっぱい夢いっぱい
の両親です。
添加物を使用せず、昔ながらの身体に
やさしい商品づくりを心がけながら、
地元の道の駅『おふくろの駅』などで販売。
地域の郷土食を研究し、そこでの発見を
たくさんの方々にシェアしています。
近年、世の中は新しいものを生み出すことに
注力しがちですが、おざわふぁ~むは
古いものを掘り出します。
逆にそれが現代では新鮮なもに感じたり、
先人の知恵の素晴らしさに触れたりでき、
とても楽しいです。
また、交流人口を増やすべく、
グリーンツーリズムなど各種体験事業や、
小学校と連携しての田植え稲刈り体験など
食育の推進にも携わっています。
農業は特に担い手不足など課題が多い職業
ですが、そういった体験を通して一人でも
多くの方に農業や田舎の魅力を伝えていき
たいと思います。
福島民報新聞 民報サロン
2022年4月15日 掲載
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