Apron Front Saddle Shoesの致命的不具合の改善



2月に仕上げた黒のApron Front Saddle Shoes、サドル部分の位置が上すぎて足入れがきつく履く度に負担がかかり数回履いた程度で革が切れてしまう致命的不具合をなんとかしないとと考えた末外羽根にカスタマイズすることにしました。外羽根ライトアングルステッチというとやはりDoverとなり不本意にもDoverのデザインに近く成り果ててしまったことは残念ですが履けないよりマシ。新たに作ったタンの継ぎの部分は以前の白ステッチデザインをそのまま採用しました。ライトアングルモカと白ステッチがモカがダブるようなちょっとくどい感じになってしまいましたがこれも仕方ない。前回作ったApron Front Saddle Shoesはパターンを作り直しまた作ろうと思います。


ライニングのまとめが内羽根仕様でそれを外羽根仕様にしたので色々無理があり新たに切れ目を入れる必要があり入れた切れ目の位置が良くなく裏の処理がきれいにいかず、タンがライニングの羽根付け根に潜る部分の幅(青矢印)やカーブ(赤矢印)が良くない等の気に入らない所がいくつかあり、一応羽根付け根にカン止めを縫い付けたが青矢印の幅が5ミリくらい足りずステッチ3目の半分しかかからないというカン止めの意味を成しているような成していないような微妙なステッチになってしまいましたが脱ぎ履きのときにそこまで負担がかからないと思うので良しとしたい。

ストレスなく足入れが出来て外羽根にしたことで甲のフィット感も良くなったがこのカスタマイズはかなり強引なためデザインの点では当初のイメージを壊してしまうくらい不本意な仕上がりになってしまったし羽根を分割したら内側の羽根と外側の羽根がきちんと合わずズレるという思いもしないことが起きたり今回のこの靴はかなり苦労をしました。

長年修理の仕事をしていると気に入らなかったり使えなかったりしたものに手を加え工夫することで再度使えるようになることがとても嬉しく楽しく感じ私の製作の原動力の一つだと感じています。

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