即興教材を見直してみた
ピアノアドヴェンチャーレベル1で出る [ Ⅰ・Ⅴ7]。
この理解ができてるか?
テクニック(指の動き)と結びついているか?
を確認するために即興を行う。
その際、
ピアノアドヴェンチャーの順番に沿って、
まずは、
「トニック(T)、ドミナント(D)の理解ができてるか?」を行い、
そしてⅠ・Ⅴ7に繋げてた。
この方法で、
多くの生徒はスムーズに進む。
でも、何だか上手くいかない…
という生徒もいる。
即興自体はできるけど、
ここで学んだことを曲へ活かせてない。
理論派の生徒たちだ。
理論派の生徒がつまずく理由
感覚よりも
理論で考えるタイプの生徒の場合、
トニックやドミナントから
いきなり[ Ⅰ・Ⅴ7]に進むと
混乱することがある。
理由は、
知識と知識のつながりが
整理できていないから。
というのも、
この辺りで学ぶ内容ってすごく多い。
内容もさることながら
聞いたことがない言葉だらけ。
ローマ数字なんて
仕組みが分かれば瞬時に理解できそうなものだけど、
ローマ数字を目にすることがないし、
これを「数字」とは認識せず、
直感でアルファベットのI(アイ)V(ブイ)と思い込む。
中には
Vを記号や数字ではなく
デザイン的に捉えて、
Vの上に付いてる飾りに着目する生徒いる。
ほんと千差万別。
(ま、これが個性だったりもするが・・・)
しかもどれも
今後の曲で頻繁に使う大事な概念。
(出ない曲はない)
なので、これらを
・理解する
・音イメージを持つ
・使いこなす
が必要。
でもテキストには
トニックやドミナントについての
詳しい説明が載ってない。
(難しい内容なので仕方がない)。
なので理論派の生徒ちゃんの脳内は
「これってどういうことだろう?」
と疑問があれこれ湧いて、
頭の中がごちゃごちゃになる。
例えばこんな感じ。
学校の授業でいうと、
・なぜ分数の割り算はひっくり返すのか?
・分数とはどういうこと?
・そもそも分数を学ぶ意味があるのか?
など、一段深い思考をするタイプだ。
もちろん、
「ま、いっか…そのうち分かるか?」
とスルーできればいいけど
中には
「気になって仕方がない…」
と止まる生徒もいる。
今回の場合、
特にスケール番号と指番号が混同してたら
前提条件が違ってるので
その後の話はチンプンカンプンになる。
ピアノ学習に限らず「つまずく」って、
こうした些細なところから
わからなくなる・・・
というケースが多い気がする。
スケール番号を使う
そこで、これまでの即興方法を
少し見直してみることに。
従来の方法だと、
トニックやドミナントを強調しすぎていて、
生徒が音の機能よりも、
「言葉」に縛られているように感じた。
新しいアプローチは、
「スケール番号」を使う方法。
具体的には、
トニックやドミナントの言葉の代わりに
スケール番号を見て即興を行う。
この方法だと、
スケール番号から発展して
和音に移行することが自然にできて
知識と知識がつながりやすくなる。
すると、生徒の中で
「スケール→和音」という流れが
整理されやすくなる。
さらに、
トニックやドミナントの機能については、
言葉で教えるよりも
「音で聞いて感じる」を重視。
そのため、
マークを使って視覚的に示してみた。
これでしばらく様子を見よう。
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