ポリ袋への印刷の話(その4:印刷とシール)
ポリ袋への印刷一般の『ポリ袋への印刷の話』から始まって『ポリ袋への印刷の話(その2:着色生地編)』、『ポリ袋への印刷の話(その3:多色刷り編)』と続き、このblogでの紹介も第四弾となる本シリーズ。今回はポリ袋への印刷の際にデザイン的に考慮が必要なシール(溶着)部分との関連です。
最初の『ポリ袋への印刷の話』で紹介したように、正面から見た場合に袋の端から端まで印刷する方法には二つあり、マチの無い平袋の場合は比較的簡単なのですが、
マチのある袋の場合、その位置によっては完璧には思い通りのデザインにならない、もしくはちょっとした不具合をご了承いただく必要があるのです。
こちらが以前紹介した横マチのある袋の端から端まで印刷するやり方。袋に印刷しておいてからマチを作る『後ガゼット』の方法で、
このような場合は問題ないのですが、例えば似たデザインで、袋の一番下まで青いラインを印刷したいと考えた場合、まず第一に問題になるのが、袋の上下を切る横マチの袋では、製品になった際に一番下のラインが袋の上部に残ったり、あるいは一番下に印刷の無い部分ができてしまうという事。
ポリ袋は印刷後に断裁して必要な部分にシール(溶着)して袋にするため、断裁位置のほんの小さなズレでこうなってしまうのです。
そこでデザインをあきらめる代わりに、横のマチを底マチにして後ガゼットにする事で、袋の一番下にラインが作れるかといえば、こちらにも問題があります。
それは『基本的に印刷した面同士はシール(溶着)できない』という事。どういうことかと言えば、袋の下側に生地色が出ないように、上図の横マチ袋と同じように塗り足しをすると、端部分に印刷面と印刷面が向かい合うシール(溶着)部分ができてしまいます。そうすると、そこの部分はシール(溶着)ができないので、袋の角部分が剥がれてしまいます。
マチの幅よりも大きなものを入れたりしなければ、塗り足しの無い部分はしっかりとシール(溶着)されているので、そこから袋全体が裂けるようなことはほぼなく、実用上は問題ありませんが、あまり見栄えの良いものではありません。
しかしそれを防ごうとすると、今度は袋の端には塗り足しができないので、印刷面にも少し印刷できない部分ができてしまいます(一番上の画像の赤いポリ袋の角をご参照ください)。
どちらを選ぶかはご発注される方の意向次第、製作する側には口を挟む事ではないお話ではありますが、それならば違ったデザインを考えた方が良いとお考えになる方も少なくないと思われます。ポリ袋のデザインを考える際の一助になれば幸いです。
弊社「fukuroyasan.jp」尾崎紙工所では、ポリ袋だけでなく不織布バッグや手提げ紙袋、コットンバッグやグラスホルダー類、下げ札やノベルティ類と、多様な製品をお客様のご希望に応じたフルオーダーメイドで製作しています。もちろん短納期・小ロットをご希望の方向けの既製品も多種多様に取り揃えておりますので、「こんな物を入れるちょうど良い素材の袋が欲しい」や「こんな素材でこんなものは作れないか?」などお気軽にお問い合わせ下さい。よろしくお願い致します。
おまけ
大阪の街中、製薬会社が並ぶ町にある神社。疫病だけでなく、災害なども退散させていただけると助かるのですが、そちらは貴船や和泉国の一の宮に行くべきなのでしょうし、私が個人で祈っても無理なんでしょうねぇ。