ボロン……
嫌いな人の名刺を破いて捨てた。いつか小さな棘くらいなら無視できるようになるだろうか。ハープの音を目を閉じてずっときいていたら、一瞬だけ体が隕石になれそうだった。私がいなくなったらきっと君は悲しんでくれるよね。その想像にいつも生かされている。
綺麗になれそうだった思いは生活に邪魔されて紙に綴られる前に忘れてしまった。悲しいエネルギーは君の優しさに溶けてなんとなく消えていった。「いつか全部手に入れてみせるから大丈夫だよ」って自分で言ってみせた言葉が気づけば重くのしかかっていた。もう誰とも本当には笑いあえない気がした。