社会に出て働くのが正解という風潮
世間一般的に社会に出て働くのが正解だとされている。
小中高そして大学ときてそれを卒業したら仕事についてそこから一生働いて生きていくのだ。
先日内定が出ている会社の内定式に行った際に、当たり前にこれから一生働くことになる会社なんだからねと笑顔で言われた。
別にその会社がブラックとかそういうことはなく、なんならめちゃくちゃホワイトな会社だと思う。世間一般で見たらとても優良な会社なんだと思う。
ただ、そんな恵まれた状況にありながらも私の中に一抹の不安、いや何抹もの不安と疑問が渦巻いている。
「なんでそんな当たり前にこれから一生働くなんて笑顔で言えるのか?」
という疑問だ。
分かっている。日本という国にいる限り成長して大人になってその先には社会に出て、正社員になって働くことでしか人権を得られないということを。
しかし、それでも私は疑問に思ってしまう。
不安に思ってしまう。
これから"一生"という言葉に、だ。
正直、働いている人から働いていて楽しい!みたいに意見を聞いたことがない。
ネットでも同様だ。
大抵、もう働きたくないとか、ネットなら鬱になったとかブラック企業の話とかそんなのばっかだ。
そんな周りの状況の中で私は不安に思ってしまうのだ。いったい私は何を目指して生きていくのだろうか?、と。
だって今まで勉強とか自分なりに頑張ってきた先にあるのがこんな、まるで牢獄みたいな仕事、社会なんてあまりにも絶望的じゃないか?
みんなそうは思わないのだろうか?
「社会に出て働きたくない。」
こんなことを言えば家でも社会でも異端扱い。白い目で見られることは確定していて、もはやこのような発言をすることすら憚られている。
しかし、多くの人が働きたくないとか働くことで鬱になっているとかいう矛盾した現状がある。
みんなこの矛盾を孕んだ話題には触れようとしない。
だから、働くことが当たり前になっていてそれに異を唱えるものは社会から排除される。
働くことは美徳。そんなことは当たり前。働かないなんてあり得ない。そもそもお金なしでどうやって生きていくの?日本は資本主義だから。
そんな正論に見える強い言葉たちが私たちを見えない鎖で繋いで、働いている人がまるで社会の奴隷になっているように見える。
現代ではいわゆる古典的な奴隷制度は無くなったけど、それが見えなくなっただけで同じようにみんなにかの奴隷になっているように見える。
なんならそれが当たり前っていう同調圧力の中、みんな自ら望んでそこに向かうようになっている。
私はそんな現状がとても気持ち悪く思えてしまい、まるで未来に絶望しかないように感じているしまっているのだ。
今日本は自殺者が年々増加している。それはきっとこの絶望しかない現状にあるのではないのか?
まさにどう足掻いても絶望。
この国はもっと未来に希望を生み出していく必要があると思うし、きっとそれが出生率の低下だとか自殺者の減少だとか、さまざまな問題を解決に導いてくれると私は信じている。