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「ビールの泡」

1.ビールを美味しく感じ始めたのはいつのことか
 私は無類のビール好きを自負している。ビールだけではない。ワインも好きであるし、何ならウォッカも好きである。ただし、好きなだけで知識は乏しいから、何か中身のあることを語れる訳ではない。
 ところで、ビールを初めて美味しく感じたのはいつのことであったか。おそらく、最初から美味しいと感じた訳ではなかったと思う。契機となったのは、ビール大国であるチェコを旅行した際に、安価かつ美味であるピルスナービールを飲んだ瞬間であったと思う。ますます好きになったのは、その後『 英国王給仕人に乾杯!』というチェコ映画を見てからである、ということは何となく覚えている。作中に出てくる黄金色のビール、積雲のような泡は、私をビールに駆り立て、その後一時期はビールばかり飲んでいた。
 その後、再びチェコに赴き、「ピルスナーウルケル」発祥の地であるPlzeňという都市を訪れた。そう言えば、アイルランドに行って現地で「ギネス」を飲んだこともあったが、あの頃は今ほどビールに夢中ではなかったので、今にして思えば勿体なかったと思う。もっと現地で飲んでおくべきであった。
 なお、私が好きな大手国産メーカーのビールは、キリンサッポロである。

2. 大手メーカーの国産ビールは優等生である
 前述のとおり、私が国産ビールを飲むときは大体はキリンかサッポロを選択するが、特段強い拘りがある訳ではない。というのも、いずれのメーカーのビールも、味に差異こそあれ、どれも優等生であり、どれも美味しく、結局好みの差でしか語れないからである。どのメーカーのものを好むかは、私にとっては「蕎麦が好きか饂飩が好きか」、「パン派かご飯派か」程度の問題であり、出されたビールを美味しく飲む、ただそれだけである。その反面、クラフトビールや外国産ビールは、品質や味に顕著な差があり、その点において優等生にはない面白みがある。

3. 私はベルギービールを選ぶときアルコール度数が高いものを選ぶ
 クラフトビールや外国産ビールを選ぶときは、悩む。ワインを選ぶときよりも悩む。「全く美味しくない!これは好みの問題ではない!」と言いたくなるものもあれば、次にそのビールに出会える日が待ち遠しくて仕方がないようなものもある。とりわけ、種類の豊富なベルギービールを飲むときは、どれを選ぶべきか、悩ましくて仕方がない。「悩むくらいであれば、あれこれ飲み比べればよいのではないか」と思われるかも知れないが、多数種類を扱うお店では大体はボトルで提供されるため、飲み比べるためとは言え、無節操に注文して飲んではビールに対し申し訳がない。私はお酒に強い方であると思うが、何種類も飲み比べていれば、その頃には味はおろか名前を覚えるのが精々であり、何なら何杯飲んだかを数えるのに手一杯になっているかも知れない。
 では、どうやってその一杯を選ぼうか。取扱種類が限られているときは、シメイ・ブルーやデュベルのような定番を選ぶが、種類が多すぎて悩ましいときは、私はとりあえずアルコール度数が高いものを選ぶ。なぜならば、ビールの知識に乏しい私でも、アルコール度数が高いものほど製造コストも製造リスクも高いであろうことは想像できるからである。製造者が勝負を賭けて製造したビールは美味しいはずである!勿論、例外があることは言うまでもないが、ハズレを引いてもそれは製造者の勝負の集大成であり、経験として受け止めたい。

 そろそろ、真面目にお酒を覚えよう。そう思い始めた金曜日の夜。TGIF!

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OZAWA Tomoaki
ここまでご覧頂いただきまして誠にありがとうございます。 大事なお時間に少々の笑顔をお届けできれば幸いです。