修理とかカスタムとか面倒だからちゃんとしたベースを買ったら開幕から修理してた話
ジャンク上がりのLegendの4弦がいよいよ弾きにくくなってきたためBacchus WL4-AGED/RSMを買いました。
近所で試奏したところ好きなフィーリングだったのですが希望するカラー/杢目の個体が無かったので通販で購入しました。
実物は見ていなかったのですが複数の個体を試奏したところ品質的にバラつきは無さそうだと判断してベース専門店にて通販で購入しました。
が、甘かった。電装系のハズレ個体を引いてしまった。
挙げ句の果てに先走って保証対象外となる修理に手を出していた。
というアレコレの話です。
この記事は販売店やメーカーを責めたり貶めたりする意図は無く、ハチャメチャ運の悪い人間が先走ってカスタム気分で修理しちゃったよって話です。
この数年マジですごい初期不良引くんですよ、ベースに限らず2か月に一回くらい不良品に当たってます。あと疲れて判断ミスをしたという、かなり特異なケースということで。
気になるノイズ
届くやいなやウキウキしながら弾き始めたんですがこれまで弾いたベースの中でもかなり気になるノイズがありました。
価格帯や構造が違うため不適切な比較ですがmomoseのジャズベ→YAMAHA BB→WL4という順で比較してみました。
ヘッドホンで聴くか、スマホのスピーカーで大きめな音にして耳を近付けると分かりやすいです。弾いたときの音がちょっと大きく感じるくらいのときに聞こえるノイズが実際の聴感に近いです。
念のため電源や接続するアンプやオーディオインターフェース、シールドを変えても改善されませんでした。
こうしたことから、仮に仕様だとしても試奏時に気付けなかったあるいはベース本体に起因しているのではと考えました。
とりあえず販売店に相談
ということで正解が分からないので上記の音源と併せて購入店に相談しました。
販売店からの返答を内容を要約すると「同モデルで数本試したが同程度のノイズ量となっていた。比較対象のベースと比べるとノイズが乗りやすい構造(=仕様)である」とのこと。
となるとやはり試奏時に気付けなかった&手持ちのベースがノイズが少ないようです。
でもやっぱりこのノイズは気になる…そうだなぁ…
じゃあ開けようか
テスターでの導通チェックと併せて、過去の経験や手持ちのベースと見比べたところ以下の2点が気になりました。
コントロールキャビティとプレートが導通してない
→ 導電塗料がプレートに接するように塗布されていないコントロールキャビティとピックアップキャビティが導通してない
→ キャビティ間がアース線等で接続されていない
これら点にアプローチすれば改善しそうと推測しました。
口より先に手が出てしまった
本当はこの状態を店舗に伝えれば相談すれば対応をしてもらえたかもしれませんが口より先に手が出てしまった。(暴行事件の供述?)
原因の絞り込み
ポットや配線をひとつひとつ見ていくのは大変なので余ってた同じ回路の電装に載せ替えて検証してみました。
しかしノイズは変わらないためおそらくボディ側のノイズ処理か最悪のケースはピックアップ不良かなと。
後者の場合、保証対応でしょうけどいらんこと検証のために電装を載せ替えた時点で保証も死んだので本当に最悪のケース。この段階でピックアップ交換も覚悟しました。
良いピックアップを試せるチャンスだね(吐きそうになりながらギリギリ絞り出したポジティブさ)
良い子はこんなことせず店に相談しよう。
銅箔テープを使ったノイズ対策の実施
低コストかつ簡単にできることからやってみよう、ということでノイズ処理を見直すことにしました。
※ここからは独学と経験則に基づく内容で必ずしも正解では無いのでその旨ご留意ください
導電塗料は高い割に使う機会も少ないため以前もやった銅箔テープを使った方法をとりました。
以前にも使用したニトムズの銅箔テープを使いました。
こちらは接着面も導通するため今回の用途にぴったりです。
まずはコントロールキャビティに銅箔テープをペタペタ。
このときテープ同士が重なるよう隙間なくかつキャビティから少しはみ出るように貼り付けます。
続いてピックアップキャビティです。
こちらはコントロールキャビティとは逆で、銅箔がはみ出さないようにします。
見た目的にもイケてないうえに演奏時に手を切るおそれがあるため要注意。銅箔テープは鋭利なので作業時も手袋をはめて気をつけながら進めましょう。
接着面も導通するテープを使っているので大丈夫だとは思いますが念のため側面と底面が導通しているかチェック。
すべて貼り終えた状態。
絶対にノイズをぶっ殺すという気迫の銅箔の輝き。
キャビティ間の導通確認
ピックアップキャビティからアース線を引っ張ってきてコントロールキャビティと導通させます。
ちなみにピックガードとプレートで隠れるのでトップ面を跨ぐようにテープを貼っても同じ効果が得られるはずですがボディに貼り付けたくないのでこの方法にしました。
アース線の固定にはモントルーのアースラグをボディにネジで留めており、ラグとアース線はハンダで固定してます。
なおラグの取り付けは肉厚な面(壁側)にしましょう。底面に刺そうとするとボディの厚みによってはボディ裏面に突き抜けるので避けた方が無難です。
なおピックアップキャビティは浅めなので底面でも大丈夫なパターンが多めな印象です。今回は底面で大丈夫でしたが不可逆な作業なのでよく確認してからにしましょう。
キャビティ間が導通していればOKです。
ここまでの作業が上手くいっていればピックアップキャビティ→アース線→コントロールキャビティ、コントロールキャビティからはみ出している銅箔部分→プレートと導通し、最終的にはプレートと導通しているシールドのグラウンドを通ってノイズが落ちます。
同じようにリアピックアップのキャビティも処理したら最後にピックアップの土台となるスポンジとバネを原状復帰します。
写真はありませんがリアから引っ張ってきた線はフロントと同じラグに合流させました。
最後に配線を戻したら音出しです。
この段階では手戻りもあり得るのでピックアップとコントロールプレートだけ軽めに固定する程度でOKです。特に弦も張らなくて大丈夫だと思います。
改善されていれば組み上げましょう。
対策後の音出し
対策前→対策後という順です。ヘッドホン推奨。
改善!!!!
これこれ、この感じだよ試奏したときの印象。
やっぱり初期不良だったんじゃ…?
この対策によってメーカーの意図した音を失っていようとも耳障りなノイズがほぼ消えたことによる精神衛生の改善の方が大事なので大満足です。
でもやっぱりモヤモヤするのでメーカーへ問い合わせ
やはりどう考えても改善前はおかしかったです。
ということでこのモヤモヤを払拭するためにディバイザーに問い合わせをしたところ非常に丁寧な回答がもらえ、初期不良である旨と原因、お詫びの言葉をいただきました。
加えて限定的に保証もしてもらえることになり今後の懸念も無くなりました。
原因ですが細かいところは違うものの概ね推測通りでアース処理が不適切だったことでした。
誤解なきようお伝えしたいのですがBacchusの品質が低いという話ではなく運が悪かったというだけの話です。
過去にもBacchusのベースは使ったことがあり低価格帯でも品質は悪くなかったですし、最初にも書いたように今回の複数の個体を試奏した結果ばらつきは見られず満足いくものでした。
疲れていると判断を誤るよねって話
実はこれのちょっと前に別店舗で別メーカーの製品を買ったのですが暗い店頭では気付けなかった塗装不良があり返品していました。
ちなみにそちらは個体ではなく製品あるいはロット自体の問題のようなので価格帯を少し上げて今回の機種にしました。
選び直した製品でこうしたことが起こり精神的に参ってしまい店舗やメーカーへの問い合わせも億劫になりました。
故に判断を誤って自分でいじり始めてしまったわけです。何度も言うけ良い子はすぐに問い合わせようね。
安い買い物じゃないし初動でもう少しふんばっても良かったのかもしれませんが遠隔だとこういう時に意思疎通が上手くいかないのが辛いですな。
なるべく通販で買わないようにしていますが今回のように使わざるを得ないときもあるし、店頭で買ったとしても初期不良に当たってるので今後はこれまで以上に購入前のチェックを厳しくしようと思った次第です。(まだ買うの?)
得たものの方も多く良い経験だった
ちょっと愚痴みたいになりましたが良い点もありました。
というか結果的に今は全く困った状態では無いのでむしろ良い点の方が多かったかもしれません。
今回はパワーアップとかではなくようやくスタート地点に立っただけとは言え手を加えると愛着が湧きますね。いっぱい弾くぞ!!
また、過去の経験から問題の分析と改善策を実践できた点は非常に充実感がありました。なんだかんだこういう手仕事好きなんだよね~。
今後はコンデンサ交換やピックアップ交換なども気が向いたらやってみようと思います。
修理のために開けてみて面白かったのは500kΩのポットが乗っていた点です。ジャズベなので250kΩのポットかと思ったので意外でした。なので250kΩに換えてみても味変として面白いかも。
もういっそ電装系の総とっかえもやっちゃうか!
・・・
何してんだ?俺は。ベースを弾けよ、ベースを!
余談ですがこの色にした理由ですが栞子カラーだったからです。
エイジド加工にとくにこだわりは無いのですが、さらさら質感の塗装がたまたまエイジドだったという感じです。
ぜんぜんベース関係ないですがお散歩アクキー届きました。
背景を活かせるので楽しいです。お出かけのお供にぶら下げようと思います。
おわり。