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今日私がしたこと

今日私は何も予定がなかった。

だけど
お気に入りの服を着て、スニーカーを履いた。
お気に入りのピアスをつけて、携帯と財布だけ、もった。

まず最初に向かったのは、クリニック。
定期検診に行けてなかったので、先生に謝りに行った。
私は出産後糖尿病の診断を受けて以来、定期的に経過観察している。
体はとても元気なのだけど、目に見えない数値をスキャンしてもらって
今の自分を観察する、とても大切なイベントなのだ。

朝一番にそれが終わると、歩きに出た。
歩けば歩くほど、思考の散乱がおさまっていった。

12月に入り、人と会うことが増え、
気がつくと1人で自分の時間を作ることが減っていた。

お気に入りのスタバに入って、気の知れた店員さんとおしゃべり。
「シマエナガ」という小鳥の話で盛り上がった。
自分のためだけに淹れてもらうコーヒー。
今日はカフェミストで、ミルクの割合を少なくしてもらった。
最後にシナモンを3振りかけてもらう。
自分だけに淹れてもらう自分のための1杯は、
このカスタマイズで、何倍にもご褒美になる。

そこで私はゆっくり、携帯も開かずに、
その空間でコーヒーを楽しむ人たちを眺めていた。

60代くらいのおじさまが、マックブックを持って作業している。
70代くらいのおばあさまが、フラペチーノを美味しそうに飲んでいる。
車椅子の方がコーヒーを飲みながら「今日は宝くじを買って帰ろう」と笑って言っていた。

自分とは関係のない人たちを観察して、
自分の中に散乱する思考を広げないように過ごした。

その後、ずっとやりたいことリストに入っていた
鹿児島睦(かごしま まこと)さんの展示会「まいにち展」へ行こうと決めた。

スニーカーを履いてきたことも、
携帯と財布だけの身軽なかばんできたことも、
全てここへつながった。

静かな薄暗い展覧会をゆっくり歩きながら
鹿児島睦さんの器やテキスタイル、家具を見て、
日常と非日常の狭間をつなげていった。
私にとって、展覧会や美術館は自分との対話。

素敵な気づきをもらって外に出ると
たくさん歩いたせいもあってお腹がぐーぐーなった。

普段なら家に帰って食べるところを、
今日は外でとことん1人時間を楽しもうと決めた。

地元に昔からある古いお寿司やさんに入って
カウンターで一人海鮮丼を食べた。
静かにお寿司を握る職人さんの所作を眺めながら、
その時間をゆっくりかみしめて食べた。

お店を出た時、深い深呼吸と共に
「いま、とっても幸せ。」と心の声が漏れた。
優しさのエネルギーが溢れるのを感じた。

私は、立派な何者かでもなく、特別な何かができるわけでもない。
ただ、自分の思考や感情を自分で決定して生きていける人間であると思う。
思考と感情は、行動になる。
今日私がしたことは、全て、自分をとても大切に扱った。
今日の私に、ハナマルをあげる。


おわり


スタバの話が出たので。







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