奇跡を思い出す、服
インスタグラムがあれば、今や世界中に飛んでいくことができる。
ふとある日、目に止まった洋服があった。クリーム色のトレーナーに、鮮やかな布のギャザーがボフッとついている。ギャザーは、一瞬フラダンスの衣装を思わせるような、華やかな緑とピンクの柄だった。普段柄物は着ない私が、そのボフッ!とついた鮮やかな布と、柔らかいクリーム色のコントラストがに胸がキュンとなった。一目惚れ。あぁ、大好きな言葉だ。
その洋服の写真に誘われて、私はその方のインスタの世界へ引き込まれた。テキスタイルデザイナーの女性が作る洋服や小物はどれも、絵本のページがそのまま現実になったような、淡くて優しい色と世界。動物や植物、月や海の自然世界が描かれていて、私の好きなものが集まっていた。一目惚れ、ではなくて、その全てに惚れ尽きた。私が、エッセイを通して発信したい、「淡くて優しい世界」を体現しているような世界観で息をのんだ。
たまたま新宿でpopupがやっていて、実際に触って見ることができることを知った。朝から、家族に予想外のことが起きて一瞬揺らいだけれど、自分のために必ず行こうと決意していた。
着くとすぐに、一目惚れしたトレーナーが私を待っていてくれていたかのように、目に飛び込んできた。私はまだ試着もしていなかったけど、それを手に取る時に「お待たせ」と声をかけるような気持ちでそれをそっと抱きしめてしまった。
小さな試着室の中で私はこの言葉を思い出した。
その服に袖を通した時、背筋が2センチ伸びる服は、あなたの親友。
その服に袖を通した時、思わず笑顔になる服は、あなたの恋人。
私はこの洋服を連れて帰ることが嬉しくて試着室で一人、悶絶した。
さらに嬉しかったことは、デザイナーさんが在廊してくださっていたこと。そこで、この洋服に「the universe(ユニバース)」という名前がつけられていることを知った。宇宙。世界。万物。
そして、そのコレクションのテーマが「We are a piece of The Stars」であること。私たちは、宇宙のひとかけらで、宇宙に包まれて生きている。そんな話を、洋服を包みながらして下さった。あぁ、今日私がここに来たのは必然だな。1つ1つの言葉に驚くほど共感できたのは、ちょうどその前の日に、私もインスタで全く同じような宇宙のメッセージを発信していたから。
スピリチュアルや、宇宙という言葉を、私はこれまで苦手としていた。だから私の口から「宇宙」「引き寄せ」なんて言葉が出てくるだけで驚くけれど、今は知っている。当たり前すぎて忘れているけれど、私は回る惑星に暮らしていて、ロケットでわずか10分で宇宙に到達することを。奇跡の惑星に選ばれて今生きていることを。
この洋服「The Universe」を着るたびに私は、それを思い出して、この世界に感謝して過ごすことができるような気がする。
洋服を買う、という体験からこんな喜びを得ることは少ない。本当はもっともっと連れて帰りたい服があったけど、いつかあの服もあの服も買えるような、私になりたい・・・!
最後に、この洋服のデザイナーさんと、リーフレットに書いてあった言葉を紹介します。
デザイナーさん MANAMI SAKURAI
https://instagram.com/manami_sakurai_?igshid=MzRlODBiNWFlZA==
おわり
※記事見出し画像は、デザイナーさんの許可をいただいてリーフレット画像を掲載しております。