【風紋 16】水は上から下に流れる

起き抜けに雨。日課にしようとしてたランニングはものの2日目で連続記録更新ならず。「文章を毎日書くことを決めたから、ランニングも毎日するよな〜」と、自分の中に微粒子程度に存在するストイックな魂を無事に鎮めてくれた。雨は立ち止まりを許すからありがたい。どうも自分はマグロではない魚のようだ。

雨の許しを得た魚は今週もジャンプを読む。この時間だけは譲れない。トビウオなのかもしれない。トビウオってほんとに跳ぶんだっけ？ 毎週言っているとよく言われるが、仕方ないから今週もいうけど「今週のジャンプもやばかった」。今週に関しては本当にやばい明確な理由がある。ONE PIECEが休載にも関わらず、嗚咽が出るほど心を揺さぶられたからだ。嗚咽の要因は言わずもがな三大看板が両翼ヒロアカと呪術廻戦。ネタバレばかりは雨であっても許してくれないので濁しに濁すけど…いよいよだ。梅雨。

長野で1番好きなお店が、5月で一旦現形態での営業を終えるとのことで駆け込むように訪問。いつものいい光といい風が入る席で、ハウスブレンドのアイスコーヒーをいただく。曇ったり晴れたりで明滅する店内が、いつも通りたまらなく好きだった。本が読める場所で美味しいコーヒーが飲めることは、全然当たり前じゃないんだということ。感謝は伝えられる間に伝えておくのが吉だ。形は変われど、同じ場所でまた穏やかな時間を過ごさせてもらえるようなのでホッとした。今後とも圧倒的ご愛顧。

『悪は存在しない』をとうとう観た。しきりに見聞するそれと寸分違わぬ感想をまんまと抱かされて、やられた。すごすぎ。朝から晩まで「やばい」「すごい」しか出てこなくってきている。例に漏れずネタバレばかりはやばい、というかこの作品をえいやと表現できる手段を持ち合わせていないので安心してほしい。言及できるとすると、映画体験ってこれだよね〜が詰まっている。全部に意味があるのに、ギリギリの心地よさで受け手に委ねてくれる。観る前から観た後まで含めた鑑賞体験が完璧すぎて、直接的な内容だけでなく観る側のことをどこまでも考え尽くした飽くなきこだわりに対して心が五月雨ている。こんな具合にネタバレ回避のために言葉を選びながら濁った感想を垂れ流すのも衛生上よくないので、早めに感想をぶつけ合けあいたい。

今日流れた水は、どこにいくのだろう。