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【風紋 20】風任せなでまかせ

この日記的な文章のタイトルを変えた。風紋。
元は「とても、個人的なこと」というタイトルで、仮題をずっと使い続けてたような感じだ。日記なんて基本的には"個人的なこと"なんだけど、これはこれで気に入っていたけどもう少しタイトルらしいものを付与したくなった。その方が愛着を持てる気がするので。

風紋って、あまり聞き馴染みのない言葉なのだろうか?自分はとっても聞き馴染みがある。
風紋とは「砂丘の表面などに風によってできる模様」のこと。砂丘といえば鳥取砂丘。そう、鳥取県民には割りかし馴染みな言葉なのだ。鳥取駅前の広場を「風紋広場」と呼ぶくらいには、地元民には浸透しきっている。
風が砂丘に絵を描いてやろうと思って、風紋はできていない。もしかしたら風にも意志があるかもしれないが、知る由がない。故に、風紋は偶然の産物。偶然できた模様を何かに見立てたり、ただ美しいと感じる心によって風紋は成り立っている。夜空に無数に散らばる星ををケンタウロスに見立てたり、浮かぶ雲をドラゴンに見立てるように。なんでもないものに自分なりの意味を見出す、愛すべき無駄な人間味が風紋にも見え隠れする。
日記も似たようなものだと思う。日常の些細なことを切り出して、縮小したり拡大したり、関係ない事柄と勝手に結びつけたり、愛くるしい無駄遊びが許されるのが日記という空間だと捉えている。あらゆるところから吹き込む風によって揺らぐ日常の断片を、言葉によって紋様に見立てる行為。そんなこじつけからタイトルをつけてみた。

そもそも「風」(を含んだ熟語)という言葉、文字、語感が好きだ。シャーマンキングの麻倉葉を筆頭に、漫画のキャラクターや技でも風属性を好む傾向にある。鳥取は風紋が表れるように、海風が吹き込むので基本的に常日頃風が強い。藤井風さんなんてもう名乗っちゃってるし、体現している、やばい、風神。そういえば長野の編集チームHuuuuも風がコンセプトだし、長野のライターに風音(ふうね)さんという素敵な文章を書く人もいる、強い。長野にも色んないい山風が吹きつけている。

無自覚にアイデンティティに刻まれた言葉が浮かび上がってきてから、鳥取の匂いを少しだけ思い出すようになった。それから「風紋」を表題にして、何かを作りたいとほんのり考えるようになったんだった。風にまつわる言葉は1040語くらいあるらしい。全部知りたい。風紋を通じて、1041語目に出会うのも楽しみだ。

ということを3年ぶりの上田の地で記している。
ここの風もかなり気持ちいい。


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