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フジテレビ問題を機に、労働組合を考えてみよう!
中居、フジテレビ問題から
年が明けて、日本で大きなニュースはあまりなく、平穏だと思っていましたが、ここにきて超ド級のニュースが出てきました。
当初は元SMAPの中居正広さん、一タレントのスキャンダルと思われていたのが、キーテレビ局の一つ、フジテレビの存亡をかける問題に発展しました。
メディアで様々なことが報じられていますが、私はローカルテレビ局に在籍し、労働組合を立ち上げた観点から、この問題を考えてみたいと思います。
フジテレビの労働組合の加入者が約80人だったのが、500人に急速に増えたことに驚きました。
日本の労働組合が発展するチャンス
このことは日本の労働組合が発展するチャンスになるのではないか、と思いました。
私は参画した労働組合結成50周年を機に、昨年、週刊金曜日やnoteで、労働組合の発展を願う記事を寄稿してきました。
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ps://note.com/oysmym/n/n5812b9e2b6c8
世間で問題を起こす企業が発生するたびに、労働組合は何をしているのだろう、従業員、社員の人たちは会社の不正な行動に対して何をしてきたのか、常に疑問を持っていました。
労働者から経営幹部に対しての声が、これまではあまり聞こえてきませんでした。それらの企業に労働組合があるのか、ないのかの報道もなされてきませんでした。
ビッグモーター事件で自動車総連出身議員に質問
ビッグモーターの事件のとき、労働組合についての報道がされていなかったので、自動車関連ということで、自動車総連(全日本自動車産業労働組合)出身の二人の国会議員にメールで質問状を送りました。
すぐにご返事がありました。(この類の質問には与党議員はほとんど返答がありません)
報道を聞いて初めてビッグモーターの事件を知った、ビッグモーターとは全然関わってこなかったというのが概ねのご返答で、積極的に自動車関連労働者の労働環境改善や労働組合結成等の働きかけ等をしていないことがわかりました。
よく日本の労働組合は企業内労働組合の範疇を出ていないといわれますが、まさにそうだなと思いました。そして、労働組合も労働者自らが動き出さなければ、誰も助けてくれない現状を再認識しました。
そういった結果を踏まえて考えてみますと、問題が起こる前に従業員、社員が経営者に疑問を投げかける必要性を感じました。
フジテレビの報道機関としての歪さ
フジテレビの場合、社員が1000人以上いるのに組合員が1割以下の80人で、報道機関としての歪(いびつ)さが1割以下の低加入率にあらわれています。
日本の労働組合の組織率の低下を憂うニュースを流していながら、自分たちは労働組合に入っていない矛盾があります。(これは労働者の権利として労働組合の加入を教えていながら、労働組合に加入していない学校の教師とよく似ている)
フジテレビ労働組合の初代委員長は昨年亡くなった、吉永小百合さんの夫の岡田太郎さんですが、フジテレビの天皇といわれている、日枝久相談役は当時、書記長をしており、左遷から引き上げられ、トップとなったにもかかわらず、労働組合が低組織率になっている社内風土が、今回の問題をまき起こした要因の一つになっているかもしれません。
今回の問題で一挙に、社員の約半数の500人が組合員になったことは、私は正常な労使関係に移る過程に入ったと思いました。
経営者の失策は直接、従業員、社員に損害をもたらします。これからは闇に葬られていた経営者の失策が明らかになる事案が増えてくると、私は予想します。
経営者の不正や失策を労働組合が完全に防げません。しかし、それらが誇大化するのを防ぐ役目を果たすことはできます。
今回のフジテレビの場合、1割にも満たない組合員で技術系が多く、プロデューサーやアナウンサーらに比べ、タレントと会食などの接点が少なく、組合員が問題を知る機会がなかったかもしれません。
社員の半数以上が組合員でしたら、何らかの情報が入り、会社側に問題を質すことができたかも知れません。
世間に比べれば高給で華やかな仕事であれば、労働環境にあまり不満を持たず、労働組合に加入する理由はなかったのかもしれません。
しかし、人を、従業員を大切にすることが求められる現代、労使が協力して会社を発展させることが大切です。
それには経営トップの方針に唯々諾々と従うのではなく、誤っている方向に進んでいると見たら、提言が必要です。
労使協議会の設置
私はフジテレビの労働組合に会社に対して、「労使協議会」の設置を提案の一つに加えてほしいと願っています。
この「労使協議会」は世間でいわれる労使協調路線ではなく、会社の重大事項へのアドバイス、相談する類いのもので、今回の問題等が起こった場合は取締役会にあげるだけではなく、労使協議会にもあげて、どう解決するか、労働組合の提言を聞いたり、話し合う機関としての設置です。
その役割を労働組合が担えれば正常な労使関係になると私は思っています。
会社が間違った方向に向かうときに、舵を変えさせるのも労働組合の役割だと認識しています。
フジテレビの労働組合には今回の 会社の未曽有宇の危機に、労働組合の力を発揮してもらいたいと期待しています。
労働組合には「団結」が必要
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