プライバシーを考える
プライバシーって何?
大学病院の眼科に行き、検査をしたら、看護師さんが研究用に使いたいと許可を求めてきました。そのときに、「視力もプライバシーに入りますから」といわれ、驚きました。
近年はプライバシーについてやかましく言われていますが、プライバシーって、何だろうと思うときがあります。
先日、大谷選手がロスアンゼルスに購入予定の豪邸が、テレビで紹介されていました。プライバシーの侵害ではないか、と疑問になりましたが、アメリカでは有名芸能人やスポーツ選手の邸宅を映像で映して、紹介するのは当たり前に行なわれているそうです。
そういえば、半世紀以上前の私の子どものころ、プロ野球選手の名鑑に選手の住所が掲載されていたのを思い出しました。
私は名古屋市北区に住んでおり、中日ドラゴンズのファンでした。ドラゴンズの選手の住所は千種区と昭和区が大半で、北区はほとんどいませんでした。(名東区と天白区はまだ誕生していませんでした)
生徒名簿には親の職業も
中学、高校のときには全校の生徒名簿が配布されました。それには住所のほか、親(保護者)の名前と職業も掲載されていました。ただ、会社員や役員だけではなく、〇△株式会社代表取締役社長や〇✖有限会社総務部長などと記されていました。
電話は当時、引いていない家庭もあり、呼び出し番号として、隣家の電話番号も載せられていました。
現代では考えられないプライバシー侵害です。中には父親と名字が異なる生徒もいました。名古屋ではだれもが知っている、デパートの社長の名前も記載されていました。会社の内外でも周知の事実だったのでしょうか。子供でも「母親はお妾さんだ」と察しがつきました。
生徒の名簿は、学校関係者などの間だけで、外部に漏らされて悪用されるといった考えは思いつかなかったでしょう。
学習雑誌には名簿を貸与すれば、いくらいくらの謝礼を出すといったお知らせも掲載されており、現代の詐欺集団が使っている「名簿屋」の兆しが見えていました。
住所、電話番号記載の県職員録
社会人になっても、昭和の時代には、住所や電話番号が載った県庁職員録や教職員名簿が関係者に配布されていました。
相手にわざわざ、住所を聞かなくても、取引業者が年賀状やお歳暮、お中元が出せました。電話番号を聞かなくても電話がかけられたので、新聞記者が事件関連の県職員に対して、プライバシーを気にせず、取材電話をかけたことも日常茶飯事でした。
取材力は顔写真とり
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