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愛は人にとって最も大切なもの


愛は大切


前回、愛の反対語について書きましたら、憎悪との意見が寄せられました。
一般的に考えたり、辞書を見たりすれば、憎悪や憎しみが出てきます。憎悪は存在を認めているが、無関心は存在を認めていないと説明しますと、納得されました。

テレビCMで「愛はあるんか」のフレーズが人気を集めていますが、愛が人の心に最も響く言葉で、大切な言葉だと証明しています。
日本人は「愛しています」ということが苦手です。外国人は煩雑にアイラブユーを繰り返します。

辻仁成作「代筆屋」からの愛


辻仁成さんのことに前回ふれた際、本棚からつん読となっていた辻さんの著作「代筆屋」を開いてみました。小説ともエッセイともいえる作品の連作で、フィクションかノンフィクションか読者には判断が難しいです。

その中で、ハンバーガーショップでアルバイトをしている大学生の話がありました。彼から店によく訪れる女性に恋をして、手紙を渡したいので、代筆を依頼され、恋が成就したらの成功報酬で引き受けました。

しばらくしたら、その手紙を受け取った女性が訪れ、返信を依頼されました。彼女はその大学生ではなく、同僚の別の男性が気になって、そのハンバーガーショップによく通っていたそうで、なかなかうまく返信が書けないので、返信を依頼しに来たのです。

作者は返信に彼氏がいることを匂わせ、お店に行ったときには笑顔でお会いしましょうと結んだ返信の手紙を書きました。

そして、三か月後に二人は別々に作者の元を訪れ、交際していることを報告して、代筆の成功報酬をいただいた話です。

どちらの手紙も作者が書いたもので、厳密にはウソの言葉ですが、そこには依頼者に成り代わって愛を伝えています。そして作者自身も依頼者二人に対して、真実の気持ちを伝える手助けをしたいという愛があります。

仕事にも愛は必要


私は報酬をいただいても、仕事であっても愛は必要だと思います。

「こんなことをされるのは大変ですね」と尋ねると、「いいえ、仕事ですから」と答える人がいます。しっかりと仕事はしているでしょうが、「仕事ですから」の言葉を聞くと、残念な気がします。「仕事じゃなければやってられないよ」そんな声が聞こえてきます。仕事はお客さんから感謝されて、真の仕事になります。

高額なフランス料理をお客さんが食後に、笑顔で「美味しかったよ」の一声が仕事の評価になります。それにはきっとお店のお客さんに対する愛が詰まっていると思います。

日本では諸外国に比べ、客に対する対応が丁寧です。

対応が丁寧でも_


日本の銀行も丁寧に「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」と言い、お客さんは感謝の気持ちがなくなったとき、借入金の取り立てに暴言を吐いたりします。その究極が、先日発覚した貸金庫の盗難事件です。心を込めて、仕事をしていないのです。仕事はただの食い扶持としてししか見ていないのです。体裁だけを整えた仕事をしていると、知らず知らずにお客さんは減っていきます。

コンビニ店員の愛

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