その犬は売れ残りだった。 店頭近くの小さなケージには生後2か月程度の仔犬たちが与えられたオモチャを噛んだり、店員におやつや抱っこをせがんだり、その愛らしさを存分に撒き散らかしてガラス越しの冷やかし客達を笑顔にさせている。 「もう犬のいない人生には耐えられない!」 前夜唐突に夫に宣言したわたしは、冷やかし客に交じって熱心にガラスを覗き込んでいた。 絶対にきっちりお世話をすることが条件だったが、激高にも近い私の主張に根負けした夫も物珍しそうに仔犬たちを見ている。 家に一番近
この早春、長患いのワーカホリックから脱出すべく会社員生活を断ち切り、自分再生にもがく人生を今さら始めました。私の再生の道のりの備忘録にしたいです